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編集部取材秘話

ジェイミー・オブライエン・インタビュー

弱冠24歳にして、パイプライン・マスターの地位を不動のものとしたジェイミー・オブライエンが来日! 彼が育ったパイプラインのことや、いつも僕らを驚かせてくれるライディングの秘密など、気になるところをいろいろと話してもらった。

掲載誌:サーフトリップジャーナル 54
P.017 Tide Graph 03 Hawaii
「いつかは、ジェイミーのように」

写真=落合明人 Photos: Akito Ochiai
STJ: インタビューの時はいつもパイプラインのことを聞かれると思うけど、今日もパイプの話を聞いてもいいかな?
Jamie: もちろん。何でも聞いてよ。
STJ: じゃあ、まずはパイプで初めてサーフィンした時のことを教えてくれる?
サーフトリップジャーナル54:編集部取材秘話:ジェイミー・オブライエン・インタビュー

Jamie: パイプラインの隣のビーチ、エフカイ・ビーチ・パークでサーフィンし始めたのが5、6歳の頃だ。そこでサーフィンしながら、いつも数百ヤード離れたパイプラインのラインナップを眺めていたんだ。ある日学校から帰ると親父に「今日はパイプラインに行ってみるか」って言われてね。その日はクリーンな6ftくらいのパーフェクトなコンディションだった。子供にとっての6ftがどれだけでかいか想像できるかい? その日のピークには3、4人しかいなかった。親父が70年代、80年代風のクラシックなスタイルで波に乗ってたことを覚えてるな。レイバック、グラブレールとか。初めてパイプに入った時の気持ちはなんとも言えないものだったね。次の日、学校行ってみんなに「俺は昨日パイプに入ったんだぜ」って自慢したよ。
STJ: パイプには、ヘビーなロコ達がいると思うけど、ジェイミーもそこで認められるには時間がかかった?
Jamie: ハワイアン・ローカリズムは確かにあるね。僕は小さい頃から毎日サーフィンしているから問題ないけど。みんな知っているように世界一混雑してるポイントの一つだからね。大事なのは、常に行く時は行く、行ったらメイクする。その繰り返しが大切だよね。あの場所でリスペクトされるには毎日の積み重ねが大事なんだよ。パイプに来る日本人は、いつも波をシェアしようとする気持ちやリスペクトが感じられるね。
STJ: 何かきつかった経験はある?
Jamie: 僕が小さい頃、確か13、4歳の頃かな。結構サイズがあった日なんだけど、大きなセットが入ってきて、ロコ達が「ゴー、ジェイミー、ゴー!」って言うから、えっ、俺かよ? って思いながらテイクオフしたんだ。ゴーって言われたら、行かなきゃまずいだろ? ボトム・ターンまではしたんだけど、分厚いリップが振ってきて、それに押しつぶされてグルングルン回って、ボードは粉々。あの時は溺れるかと思ったね。ボードを変えてピークに戻ったら、みんなに「何だよー、メイクできなかったのかよー」って笑われてさ。その時は知らなかったけど、今考えると、あれはひどいクローズアウト・ウェーブだったよ。今となっては笑い話だけどね。
STJ: 父親はどんな人?
Jamie: 親父がエフカイ・ビーチ・パークのライフガードだったんだ。子供の頃、巨大な波が家の前に見えて僕は怖がっていたんだけど、親父は「怖い? これはパーフェクトって言うんだぜ」って僕に教えてくれた人なんだ。ライフガードをしながら、プールを掃除する仕事もしていて僕のしたいことをいつもサポートしてくれたんだ。
STJ: 子供の頃住んでいた家は窓から波チェックができたんでしょ?
Jamie: 今の家もすぐ側に移っただけだから見えるよ。目が覚めて窓から外を見るとパーフェクトなパイプラインのラインナップが見えるんだ。だけど、夏場は波がないから窓のブラインドを下ろしておく。僕の部屋のブラインドに、友達がパーフェクトな波のパイプランをペイントしてくれたんだ。だから、波がない日でもパーフェクトなパイプラインをいつも僕のベッドから見ることが出来るんだよ。

サーフトリップジャーナル54:編集部取材秘話:ジェイミー・オブライエン・インタビュー
STJ: 最近、ジェイミーより若いサーファー達が台頭してきたけど、彼らの存在をどう思う?
Jamie: デーン・レイノルズのサーフィンを見るのは好きだね。彼のサーフィンが僕のサーフィンに与える影響はたくさんあるよ。彼は僕よりいくつか若いけど、年なんて問題じゃないんだ。ケリーなんて僕より10歳くらい年上だけど、それも関係ない。お互いに刺激しあえればいい。それで試合になったら、やっつけるだけだよ! デーン、ケリー、ブルースのサーフィンはいつも注目してみているね。
STJ: フィンレス・ボードに乗ったり、チューブの中でスイッチしたりって言うアイディアはどこから来るの?
Jamie: いつも何か違うことをしようとしているんだ。星の数ほど、バレルに入っているからね。何か違うことをしようかなと。スタンスをスイッチしたりするのは楽しいしね。僕の中での挑戦でもある。いつもと同じようにバレルに入るのは僕にとって特別なことではなくなってしまっているから。自分でも、ちょっと異様なことだとは思うけど。

STJ: 何か新しいアイディアはある?
Jamie: ただ、もっとリラックスして、プログレッシブに、エアとかも盛り込んでパイプを滑りたい。
STJ: そういう新しいアイディアは、いつも危険と隣りあわせだと思うけど。
Jamie: そうだね。だけど、モトクロスバイクに乗って後方2回宙返りとかするやつらがいるだろ?あいつらはこけたら下は固い地面だけど、波の上ならいくら転んでも水だからたいしたことないよ。
STJ: パイプでサーフィンしていて、最も思い出に残っていることって何かな?
Jamie: やっぱり、2004年にパイプライン・マスターズを勝った時かな。僕は小さな頃からパイプのコンテストはいつも見に行っていて、デレク・ホーやケリー・スレーター、ブルース、アンディのアイアンズ兄弟、ロブ・マチャド、彼らがパイプライン・マスターズで戦っているのを見てきた。彼らは僕にとって夢のような存在だったし、いまだに彼らは僕の憧れだ。そんな彼らに勝って優勝できたんだからね。
STJ: 彼らと同じヒートでサーフィンするのはどんな気分?
Jamie: ケリーやブルース、アンディと同じヒートで戦うのはかなりハードだよ。彼らは、僕がもっといい波が来るだろうと思って見送った波に乗って、ハイ・スコアを叩き出すんだ。「え、今の波で9ポイントも出せるのかよ?」って思わされて、相手はペースを乱されちゃうんだ。本当にすごいよ。
STJ: コンペティションは好き?
Jamie: 勝つ味を一度でも味わったことのあるサーファーの中で、コンペティションを嫌いなやつなんていないでしょ。でも、コンペティションでは小さい波でもサーフィンしなきゃならないし、神経を張り詰めていなきゃいけないからね。誰が誰より優れているか競い合うよりも、リラックスしてビデオやフィルムを撮っている方が、神経質にならなくていいから僕は好きだね。
STJ: ツアーを回らずに、世界中の好きなところを回っているように見えるけど。
Jamie: 世界ツアーは回らないことを選んだんだ。世界ツアーを回ることは、世界中のサーファー達に夢を与えるやりがいのあることだと思う。WCTのツアーを回ることは、誰かが真似しようとしたって簡単に出来ることじゃない。でも、僕がやっていることはやろうと思えば、誰にだって出来ることだ。「ジェイミーがタヒチに行っていたから、俺も行ってみようかな」って具合にね。ツアーを回る人達と比べると、見られている人達からの期待の対象が違うと思うね。僕がやっていることは誰だって出来るんだ。
STJ: 実際には、あなたと同じことをするのは難しいと思うけど…。例えば、パイプに入ることだけでも、すごく難しいことだと思うけど。
Jamie: でもさ、プロになったり、コンテストで勝つことの方が難しいでしょ。パイプラインでサーフィンするには、プロである必要はないんだ。ただ必要なのは、自信と勇気、それだけさ。
STJ: なるほど。あなたに憧れる若いサーファー達に何かメッセージを。
Jamie: 僕がいろいろなサーファー達に憧れたように、僕に注目してくれるのはうれしいね。何かみんなを驚かせるようなことをしていきたいと思う。何か自分のやりたいことを考えて、それに向かって頑張ることが大切だと思うよ。

スタジオでの撮影では、「普段はサーフィンしてる時の写真ばっかりだから」と照れまくっていたジェイミー。今年は日本の台風スウェルを狙ってみたいそうです。お楽しみに!



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