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慌ただしい世の中で、ゆとりをもって食を見直す「スローフード」の流れがあるように、文具の世界でも「スローライティング」という考え方があってもよいと思いませんか。シンプルで伝統的な道具や手法を見直し、急がずにゆったりと文字を書くという愉しみ。えんぴつを時間をかけて丁寧に削り、削りたての木や芯の香りを楽しみながら、まっさらな紙に芯をゆったりと走らせる。えんぴつを楽しみながら「スローライティング」でいきませんか。
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えんぴつの多彩な表現力
えんぴつは削りたてであれば細く、くっきりした文字が書け、芯先が丸くなれば、柔らかなタッチの文字が書ける。さらに、えんぴつを寝かせて書けば濃淡のある帯状の線まで描ける。一本あるだけでいろいろな表現を作り出すことができる。また、日本固有の文字表現である「とめ」「はね」「はらい」といった筆のような表現も力の入れ具合だけでできてしまいます。
とっても長持ち
何世紀も前の画家が描いたスケッチなどが美術館で展示してあるのを見てもわかるように、えんぴつで書いた文字やスケッチは半永久的に保存できることも特長。元来えんぴつの芯はカーボンなので、すぐに消せるにもかかわらず、長期的な保存にも適している特性があります。また、一本のえんぴつを丁寧に削りながら線を引くと、約50キロメートル書けるといわれています。ボールペンは約1.5キロメートルですから、コストパフォーマンスにも優れています。また、一般的な条件では、芯や木部の持ちもよく、ほぼ半永久的に使えることも強み。いろんな意味でえんぴつって長持ちなんです。
ここぞという時に使える万能選手
私は、車の中に常備しておくぺんはえんぴつと決めています。車の中は夏の暑さ、冬の寒さでかなり過酷な状態になる場所です。以前はボールペンを入れていましたが、いざという時に書けずに困ったことが多々ありました。それ以来、えんぴつにしています。
えんぴつの芯は製造工程において、約千度という高熱で処理されているので車の中の熱さくらいではびくともしません。万が一芯が折れたってナイフひとつですぐに削れます。えんぴつは信頼性の高い最強のペンといえるかもしれません。 (土橋 正)
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04えんぴつの濃さ
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えんぴつの書き味を決める大きな要素のひとつが濃度。ブランドによって同じ濃度(硬度)でも、微妙な違いがあるものの、日本では9H〜6Bが一般的となっている。
芯の材料では粘土と黒鉛(グラファイト)で、それぞれの濃度は黒鉛の量で決まる。例えると、芯に含まれる黒鉛が紙の繊維に付着することで文字が書ける仕組みだ。ちなみにえんぴつの黒鉛と金属の鉛はまったくの別ものである。また、シャープペンシルの芯はえんぴつの粘土の代わりにプラスチックを使い、これをよく練り込むことで強度を増している。当然、書き味も違ったものとなっている。
えんぴつの濃度6H〜Hはおもに測量や製図などに多用され、筆記やスケッチでは「F〜6B」あたりが使われることが多い。一般的な筆記では中間の「F〜3B」が標準的な濃度となる。
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