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うまいもんツーリング・Vol.19

ブラリと出かけた距離で本格的なツーリング気分に

うまいもんツーリング・Vol.19 日だまりに春の暖かさを感じるこの頃。晴れた日には、どこかへ走りに行かないともったいない気がする季節になった。
そうはいっても、朝はまだバイクには寒い。明日こそツーリングと決意していても、布団から出られず9時〜10時になっちまったなんてことありません?

そんなつい億劫になってしまう首都圏のライダーにお奨めなのが今回のコース。朝ゆっくり出かけて、ちょっと遅めの昼飯を楽しみ、夕方に戻ってこられる距離で、遠くまで走った旅気分が味わえるからだ。そういう意味で、バイクに乗りはじめて間もないライダーにもうってつけといえる。

ルートはまず青梅市を目指す。都心からだと新青梅街道をひたすら走るのが一番わかりやすい。幹線路なので交通量も多いが、道幅もあって郊外のバイパス的にどんどん距離を稼げるのでストレスも少ない。南側からのアプローチだと、甲州街道から16号経由が距離的には近そうだが、早い段階で北進して新青梅街道へ出てしまった方が走りやすく気分も良い。

新青梅街道は16号と交差する手前で青梅街道と合流。そこからは青梅市内へと入っても、ひたすらこの青梅街道を辿って行く。
青梅市の西側でちょっとしたクランク状に曲がり、左に多摩高校を過ぎると、あたりはいきなり街の景色ではなくなる。左手に渓谷めいた中を流れる多摩川の上流、右には奥多摩駅まで走る単線のJR青梅線と、ここが東京都とはとても思えない景観が続く。
道も右に左にとターンをはじめ、高速道路など何時間もかけて来た山の中を走っている気分。首都圏近郊らしからぬ劇的な変わりようが、このコースの魅力だ。

で、僅か10キロほどで青梅線の川井駅近くに着く。途中の御岳(ロープウェイの案内ですぐわかる)を過ぎ、左に奥多摩大橋、右に鉄橋が見える交差点が青梅線の川井駅を出た直後。この交差点を右折して青梅街道を離れると、大丹波へ登る道に入る。10分も走れば大丹波の里。釜めし「なかい」の看板がすぐに目につく。


■写真
<刺身こんにゃく>
わさびとゆずの2 種類が楽しめ る刺身こんにゃく。単品でオー ダーすると、これも奥多摩で採 れる生わさびがついてくる。自 分で石英の石ですりおろして新 鮮な香りと辛さをこんにゃくに チョンとつけて口に運ぶ。

<釜めし>
人気のきのこの釜めしセット。しめじの釜めしに 野菜のたっぷりと入った水炊き、刺身こんにゃく に毎朝粉を練り上げ塩味のきいた餡とのコンビネ ーションが素晴らしいおまんじゅうもデザートに つく。



素朴な、しかしこだわりの釜めしと山に川の幸で昼飯

釜めし「なかい」は、昭和20年代に建てられた民家を改装したお店。もともとご主人の宮野さんが住んでいた家で、庭先から玄関に入るのでよその家にお邪魔するといった雰囲気。入ったすぐの玄関には囲炉裏も残されている。
ここの定番メニューは、もちろん釜めし。その中でもきのこの釜めしが一番人気だという。

もち米を使わず新潟のこしひかりで、地元で採れたしめじを奥多摩の水で炊き込んでいる。これによってふっくら、さっぱりした風味をだすのだそうだ。
「今の時代、どこに行っても何でも食べられるけれど奥多摩ならではの素材で、できるだけ食材そのものの味を引きだす工夫をしたんです。メニューや店づくりもそんな雰囲気を大事にした……」

味わってみた釜めしは、ひとつひとつ丁寧に手でさいたしめじにごまで香ばしさが加わり、素朴だがこだわりを感じさせる。
定食でオーダーするとお盆に乗る水炊きも、白菜やにんじん、たまねぎ、しめじなど野菜がたっぷり入ってこれも素朴だがほっとする味。

定食には刺身こんにゃくもついてくる。この単品でも用意されている刺身こんにゃくは、わさびの葉を庭先で天日で乾燥させ、手もみですりつぶしたものを混ぜたわさび味と、ゆずの皮を混ぜたゆず味の2種類。これだけでもここまで来て良かったと思わせる、つくった人の気持ちが伝わってくるような風味が楽しめる。

他にも大丹波の山で採れたしいたけを、バターを敷いた鉄板で焼く、しいたけバターもお奨め。鉄板が熱々のうちに醤油をかけると、香ばしさと歯ごたえで何ともいえない満足感に浸れる。
また渓流釣りのメッカ奥多摩ならではの川魚の塩焼きも良い。鮎に岩魚、山女魚といずれも淡泊な味わいで心が和む。
ただ口コミで広がった評判のお店なので、週末の昼どきは3つある駐車場が満杯になる。やや遅めに着いた方が待たずに済むことを念頭に入れておこう。


 
■写真
上から山女魚、鮎、岩魚。川魚の塩焼き定食もお奨め。お店のすぐ近くに渓流の釣り場もある。 またしいたけのバター焼きや手打そばなど、釜めしをはじめとしてメニューは意外なほど豊富。ど もご主人が地元の食材の持ち味を活かそうと、手間暇を惜しまず丁寧に仕込んであるのが特徴。その甲斐あって、いまやお昼どきは平日でも賑わいをみせる評判のお店となっている。

「釜めし なかい」
東京都西多摩郡 奥多摩町大丹波175


うまいもんツーリング・Vol.18

渓流を眺めながらぼんやりと過ごすも良し

うまいもんツーリング・Vol.18 昼飯で満腹になった後は、ここから山奥(春先でも標高が高くなると凍る場合があるので要注意)へ進むも良し、付近の渓流に下り釣り人の邪魔をしないように川の流れに佇むも良し、何れにせよ都会とは時間の流れがまるで違う空間で心の洗濯ができる。
これから梅や桜のシーズンなので、おとずれる山の春を満喫しながらゆっくりと過ごせる。

さらに頑張れるライダーは、青梅街道へ戻り奥多摩駅から暫く走れば奥多摩湖へと出る。その先は南下すれば奥多摩周遊道路の有名なワインディング、西へ向かえば山梨県側へも抜けられるが、遅めに出てきたのなら日帰りできる距離ではない。走れば走るほど、山深い景色と旅情に浸れるという、奥多摩は何度来ても発見がいくらでも残されている、まさにツーリングにはもってこいのエリアだ。

とくにビギナーには、自分のペースに合わせ徐々に距離を伸ばしていける貴重なルート。まずは前回に行った場所までは不安なく辿り着けるし、そこから先は見知らぬ土地ならではのドキドキ感が楽しめるから、何泊かするロングツーリングへの布石として、またツーリングの楽しさを身をもって経験するにはもってこいだ。

もちろんベテランでも、繰り返し着たトコロで飽きることのない地として再認識することうけあいの場所。今回も、高速道路を頑張って走り続けなくても、人里離れた雰囲気を充分に楽しめることを、あらためて思い知った次第。
まずは億劫がらずに出かけることだ。大袈裟な準備をする必要もなく、出発した時間で辿り着ける距離こそ違うが、今回と前号のルートなら青梅や五日市の駅さえ越えれば、いきなり遠くへワープしたかのようなシチュエーションに身を置ける。ツーリングしないとストレスの溜まる身体になってしまいますけどネ。


地図も見ないで赴くまま奥多摩探索ツーリング

奥多摩のエリアはどこを走ってもバイク向きのコースばかり。むしろ地図で下調べなどせずに、気の向くまま走ったほうが発見の連続で楽しめるかも知れない。気負わず思い立ったときに出かけても、旅気分に浸れること間違いナシのベテランでも繰り返し出かけられるトコロが良い。もちろんビギナーがツーリングの醍醐味を覚えるのにもってこいだ。


うまいもんツーリング・Vol.18

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