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CB750 Cafe

CB750cafe誕生までの軌跡

持っている技術を躊躇せずに出し切りたい―。構想から最終仕様まで約3年。何度も改良を重ね、今夏ようやく表舞台に登場したCB750cafe。70年代のテーストを残し”現代の車両とは違う何か”を求めた一台は、国内屈指のカスタムビルダー集団と称される「ホワイトハウス」の新たな挑戦でもあった。9月某日、ホワイトハウスの作業場の片隅で行われたインタビュー。4台目製作中の忙しい作業の手を止め、ホワイトハウス佐藤代表と開発者・柳澤さんが、CB750cafe誕生秘話そしてCB750cafeへの熱い思いを静かに語ってくれた。



最もこだわったのは、RCBの”模写”ではなく、RCBの”テイスト”

ホワイトハウス「CB750cafe」 ●3台目を納車されたばかりだそうですが、購入者の方とお話をされていかがでしたか。

ホワイトハウス取締役社長・佐藤尉介(以下、佐藤):大阪の方ですが、わざわざ来店いただいて、自走で帰っていかれました。オートバイの話でかなり盛り上がりまして、ご自宅に着いてから「楽しかった」というメールをいただきました。今は4号車を製作中ですが、申し込みをいただいた方のほとんどが、遠方であったり、お忙しい方が多く、納車する時に初めてお会いするという形ですね。

佐藤尉介/Sato Jyosuke
ホワイトハウス取締役社長。1983年(有)ホワイトハウス入社、20年間ペイント部門チーフを担当。2年間の社長見習い後、2005年より代表社員として社長を兼任する

●皆さん一度も実車を見ずに購入を決めているということですか。

佐藤:もちろん実車を見に来られる方もいます。ただ皆さん、この様なスタイルのバイクを待っていたようです。また、カスタムを20年以上続けてきた事で、デザインとクオリティーは信頼いただいているようです。「こんなバイクを作ってみたかった」「こんなインパクトのある車両はこれまでなかった」「このバイクに乗るために限定解除します」「コレクションに入れたい」などと言っていただいています。 また、購入時はカスタムだからこそできるサービスなのですが、完成までの製作過程をお知らせしています。今はこの部分を作っています、ここまで出来ましたよ、といった写真を撮ってメールで何度もやり取りをします。もちろんメール相談にも応じます。購入後のアフターケアについて心配されている方には、その方の行きつけの販売店さんCB750cafeの説明をきちんとさせていただいています。

●自分のオートバイの製作段階を見られるなんて、とても魅力的ですね。

佐藤:私たちもお客さまとコミュニケーションが取れるので、このサービスはとても良かったと思っていますし、続けていくつもりです。完成してしまうと見えなくなってしまう部分や、ハンドメイドの価値をさらに知ってもらえれば、より愛着も持っていただけると思いますので。 納車日にみなさん初めて乗られるわけですが、「見た目よりも非常に乗りやすい」「乗ったフィーリングが良い」との感想が多かったです。また、数日後の感想として「注目度が高く、いろいろな所で声をかけられて楽しい」と言ったコメントもありました。

ホワイトハウス「CB750cafe」 ●ツインリンクもてぎで開催された「ライディングパーティ」(以下・ライパ)で展示していただいた時も、かなりの人気で人垣が絶えませんでした。「どの角度から見ても格好良い」「乗ってみたい」「RCBなのに、今風だよね」と、あちらこちらからそんな声が聞こえてきました。ビジュアルも良く、乗り味も評判が良い。どちらに傾くことなく仕上げるためには、さまざまな試行錯誤を重ねてこられたと思いますが、開発者として柳澤さんが最もこだわった点を教えてください。

ホワイトハウス開発部門チーフ・柳澤浩さん(以下、柳澤):ライパでは、「RIDERS CLUB」の高橋編集長に、「ホワイトハウスがRCBをモチーフによくこの方向で仕上げたね」と言われました。確かに、「CB750cafe」を製作する上で最もこだわったのは、 RCBの”模写”ではなく、RCBの”テイスト”をいかにして、どの様なさじ加減で、現代に落とし込むかということでした。ただのレプリカじゃないかと思われる方もいますが、それほど簡単ではありませんでした。 今のバイク(CB750)はコンパクトに作られていてフレーム構成、車格、ホイールサイズなど、当時とは違います。現代のバイクの多くは塊感がありスキマが少ない印象です。車輌を設計する思想や技術が変化しています。一昔前のバイクにはゆとりというか、遊びがあった。例えば、バイクの横から向こうの景色が見えるといったような……。それはそれでカッコイイのですが、ただ、その違いをバランス良く取り入れることが難しい要素になってきます。

柳澤浩/Yanagisawa Hiroshi
ホワイトハウス開発部門チーフ。四輪メーカーのデザイナーを経て、現在ホワイトハウスのチーフデザイナー&モデラー コンプリートモデル及びワンオフモデルの開発から製作まで担当。入社12年目

●具体的に当時のテイストを取り入れた部分はどこでしょうか。

柳澤:まずは先程のフォルムがあります。これが今回は一番大切な所ですよね。モチーフがある以上、それと認識してもらえなければアウトですから。細かな所はいろいろありますが、ロングタンクとそれからくるポジション。シンプルでどこか優しさのあるカウリングと、隙間から覗く力強い空冷エンジン。マフラーを始めとする機能部品の美しさ。そして、それらが集まる事によって作り出される現代の車輌とは違う”何か”でしょうか。


最も見てほしいところは、すべてハンドメードで作り上げたクオリティーの高さ

ホワイトハウス「CB750cafe」 ●なぜRCB1000をモチーフに選んだのでしょう。

柳澤:ロングタンクのオートバイを作ろうというのが、この企画の始まりです。当初はCB1300SFがベース車両の候補に上がりました。それは、CB=HONDAのフラッグシップという理由からです。これまでホワイトハウスが作るカスタムバイクは、デザインを武器にまったく新しいバイクに仕上げるスタイルでやってきました。従来のその路線であれば1300のままで製作していたかもしれません。 でも今回は、バイクの古き良き時代の雰囲気を残しつつホワイトハウスらしさをプラスしていこうと。そこには私たちなりに、「今求められているバイクは……?」という課題に日々回答を見つけながら取り組んできました。そして「CB=RCB=無敵艦隊ヒストリー=憧れ」そんなキーワードができました。
バイクに乗り始めたきっかけは”憧れ"からが多いですよね。RCBのエンジンは空冷です。少なくなってきた大型空冷エンジンを生かしたマシンを作ってみたいと思ったんです。CB750cafeは、ホワイトハウスが新たなアプローチから作ったコンプリートマシンでもあるのです。

現在4台目を製作中。写真は塗装前の組み付け確認をしている作業

ホワイトハウス「CB750cafe」 ●そして、空冷エンジンの良さは表現できたのでしょうか。

柳澤:ベースマシンに採用したCB750は熟成された車両で、空冷エンジンの優しさを持っています。私が思う空冷エンジンは、自分の範疇にあるというイメージ。アクセルを全開にできる時間が長いというか、車両から脅迫されないというか(私の技量の問題はありますが……)。ストリートもワインディングも景色を眺め、エンジンを感じながら走れる。車両を眺めたり、タンクの脇から覗くヘッドやフィンを磨いたりしているだけでも楽しめる。これこそが空冷ならではの良さではないでしょうか。
CB750Cafeをサーキット試乗した根本さんは、「空冷エンジンのこの心地良い対話レベルが捨てがたい、今のバイクとは違うよね」と話しておられました。

金属パーツの加工を行う、エキスパートエンジニア・清水隆一さん

ホワイトハウス「CB750cafe」 ●一つ一つのパーツであったり、些細な部分へのこだわりの積み重ねが美しいフォルムの完成に繋がるのでしょうね。

柳澤:このバイクの最も見てほしいところは、すべてハンドメードで作り上げたクオリティーでしょうか。タンク一つとっても職人がハンマーで1個1個アルミを叩いて丁寧に作っています。マフラーは少し変わった作り方で、水圧で膨らまして立体成型していきます。ホワイトハウスなりの生産ラインには乗っていますが、ワンオフのレベルと言って差し支えない製作方法ですね。
もちろん性能や音質も追求しました。オートバイの顔ですから、ヘッドライトのサイズと質にもこだわりました。ライトリムはアルミから削りだして作っています。確かに手間は掛かりますが、CB750cafeにバランス良く収まるサイズと質を求めていくと、その技法しか見当たらなかった。汎用品で良いものはありませんでした。すべてCB750cafeのためにあつらえたパーツたちです。かなりの部品点数ですよ。 乗車ポジションも、当然ですがかなりこだわり20人以上で検討し変更しました。また、CB750cafeはレーサーではないので、ストリートでの使い勝手からハンドルの切れ角を確保する必要があります。それはカウルの逃げやタンクの形状などに影響がでます。それらを一つ一つクリアしながら全体的に整えていきました。繊細な作業ですが、すべては、最終的に”格好良く”を目指した製造工程です。機能やこだわりの上に成り立っている”カタチ”にしたいのです。持っている技術を躊躇せずに出し切りたい、そんな思いで作ってきました。

マフラーは水圧で膨らまして立体成型している。「1本つくるのに3日間はかかります」と、エンジニアの下田一敏さん

●先日、「購入をしたいが足つきが心配」という問い合わせがありましたが、実際には、どの位の身長があれば安心して乗れるのでしょう。また、女性でも扱えるバイクなのでしょうか。

柳澤:シートも低く、車両重量も軽いので、身長160cm程度の方であれば安心して乗っていただけると思います。要望があればウレタンを少し薄く設定することも可能です。更なるカスタムとして大幅なローシート化も出来ると思います。
もう一つ、ロングタンクですが、RCBより5cmほど短く、ライディングポジションも今のスーパースポーツに比べれば想像以上に快適です。車格も大き過ぎないので、小柄な方でも”乗せられている”感がなく、もちろん女性でも様になりますよ。ベースマシンにCB750を選んだのは、気負わずに乗れるバイクを作りたかったというのも大きな理由の一つです。馬力をもてあますことがなくしっかり使いきれるジャストサイズ。スポーツバイクを乗ったことのない方でも気軽に扱えます。大人の方のパートナーとしても満足していただけると思います。 さらに、安全に関わるミラーの視認性確保。シートカウルにはボックス機能が付いていて車載工具やカッパなども入ります。フロントカウルも分割が可能で、季節や走り方に合わせて外観を選ぶこともできます。
また、今後の展開としてさまざまなオプションパーツ(チューニングメニュー、機能パーツなど)も開発し、更なるカスタムの提案もしていきたいと考えています。街乗りもツーリングも楽しめる大人のカスタムバイクです。 ただ、CBR1000RRとどちらを購入するかで悩んでいる方にアドバイスさせていただくと、現代技術の結晶とスピードを求めるのであればRRをお勧めします。そして、疲れたらCB750cafeで遊んでほしいですね。

●実車を見たいという方が全国にはたくさんいると思うのですが、今後、イベントなどにCB750 Cafeを出展される予定はありますか。

佐藤:10月6日にツインリンクもてぎで開催される「ライディングパーティ」に展示する予定です。ぜひ多くの方にCB750 Cafeに実際に触って跨って、体感してほしいですね。


ショップデータ

ホワイトハウス「CB750cafe」 ホワイトハウス
住所/埼玉県和光市下新倉1936-2
TEL/048-465-2389
営業時間/9:00〜19:30
定休日/水曜、第2・4火曜
http://www.whouse.jp/






「祝! CB750cafe納車」>>


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