【Telly's Collection】 『スターズアンドストライプス』

スターズアンドストライプス


アメリカで行われるアメリカのイベント、それがリノ・エアレースだ。リノだけではない。ストックカーレースもインディ500もみなそうである。グランドスタンド、ハンバーガー屋、チームのパドック、そこらじゅうにある星条旗。映画や音楽の中にまで星条旗がはためいている。

映画『イージーライダー』の主人公、アウトローのその男はキャプテンアメリカと名乗り、チョッパーのタンクはスターズアンドストライプスの塗装だったっけ。反骨のカントリー歌手、ジョニー・キャッシュのレコードジャケットは、ぼろぼろの星条旗を指差し「アメリカよ、これでいいのか?」と問いかける絵柄だった。スーパーマンは悪者に倒された月面の星条旗を元通りにした。

初めてアメリカへ行ったのが1976年、ときあたかも建国200年でアメリカ中が赤青白の3色で塗りつぶされたかのようだった。それ以来、ただの観光客相手の飾り付けだろうと、星条旗につい目がゆく。リノで最も高い場所の星条旗は、オープニングで舞い降りるパラシュートに下げられていた。最も小さいのは安物のピンバッジのプライスタグ。一番強そうだったのはマシンガンつきのウィリス・ジープのやつ。一番速かったのはF‐16のパイロットのワッペンかな? そしていちばんお洒落に見えたのは、老婦人のハットに結ばれたバンダナだった。

だからといって星条旗に気押されて疎外感を感じるようなことはない。レースする側のパッションを感じ、それを尊敬できる自分、飛行機が好きな自分がいれば、リノの数日間は思い出深いものになる。リノの季節が今年ももうすぐやってくる。



  


テリー佐原
1952年 長野県松本市生まれ
1975年よりフリーランス
自動車、アウトドア、模型などの分野を中心に幅広く活動中
 



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