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> 特集 > エアレース_コラム12
【Telly's Collection】 『グラマン・アベンジャー』
リノで見られる大戦機はレース用に仕立て直したスペシャルだ。軍用のままの塗装をまとっていても競技用としての華やかな雰囲気が先にたち、かつてこれで戦争をしたというイメージはとても希薄である。それとは対照的に、ヘリテージ・インビテーショナルの展示スペースに並ぶレストアされた大戦機は、まさに戦争の歴史の一部としての飛行機そのものだ。今しがた工場からロールオフしてきたかのような極上のコンディションでつやつやぴかぴかであっても、戦争という重しをひきずっているように感じられ、華やかなレースやショーとはちょっと趣がちがう。グラマン・アベンジャーの前に立って、ヒコーキかっこいい! とばかりも言ってられないな、という気分になった。
アベンジャー雷撃機は「戦艦大和を沈めた飛行機」として知られる。その大きさは想像をはるかに超えていた。コクピットは高くそびえたち、胴体は地面につきそうなほど太く、畳まれた主翼などまるで壁だ。いわゆるネイビーブルーは光線の具合ではほとんど黒に近く見え、それがこの無気味に大きな機体の印象をさらにすごみのあるものにしている。畳まれた主翼の断面をながめ「ははあ、これが機体内部色か」などと模型塗料の品番など思い起こしたりもした。
アベンジャーは初戦がミッドウェー、最後の戦いが大和撃沈だった。日本の艦隊撃破のために生まれたような飛行機だが、その後もミサイル搭載などの改良を受けつつ生き残り、退役後はそのペイロードを活かし、アメリカ、カナダの森林火災の消火活動や、農薬散布など「平和利用」され、余生を送ったという。
テリー佐原
1952年 長野県松本市生まれ
1975年よりフリーランス
自動車、アウトドア、模型などの分野を中心に幅広く活動中
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