ミニカーはこうしてTOP

みなさんは、ミニカーがどうやってできているのかをご存知だろうか?
「亜鉛合金とプラスチック、ゴムでできているんじゃないの?」と思ったアナタは半分正解。
それらの素材を使い、どれくらいの工程を経て一台のミニカーになっているのか?
これまで知られることが少なかったそのすべてを紹介しよう!
●このコンテンツは「別冊 ミニカーファン Plus 京商ダイキャストカーモデルの世界」(2004年発行)にて掲載されたものです

はじめに

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making_4_1  近年、ダイキャストカーモデル製造における精密化ぶりには、すばらしいものがある。正確なフォルムの再現はもちろんのこと、実車に忠実に再現されたホイールや内装などは数年前では考えられないレベルにある。これはひとえにミニカーコレクター人口の増加による市場の活性化によるものだが、当然のことながらクオリティのアップは、生産する側=製造技術の向上があってこそ、だ。プラパーツから金属パーツへ、デカールから印刷へ……。モデル全体としてのクオリティアップは、数え切れないほどの細かい品質アップが積み重ねられて現実のものとなる。

 では、そのクオリティを支えている製造の現場では、いったいどんな技術を駆使しているのだろう? いやそれ以前に、ミニカーはどのようにして作られているのか?

 現場の様子はこれまで一般コレクターにはほとんど知らされることがなかった。それは、企業秘密のノウハウが現場で活かされているのが最大の理由。しかし今回、ついに製造現場の取材が実現! 取材班は一路中国へ飛び、その現場を目の当たりにすることとなった。
 今回取材した工場は、中国の経済特区、深圳(しんせん)からクルマで2時間ほど走った工業地区にあった。周囲の建物のほとんどがさまざまな製品の製造工場となっているという工業地帯で、100m四方程度の敷地に組み立てまでのすべてが可能な施設が整っている。従業員は300人くらいで、
ミニカーの製造工場としては中規模クラスなのだという。
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工業団地のような場所の一角にある製造工場。周囲には産業道路が走り、その交通渋滞の激しさは日本をしのぐほどだ。

鋳造

これがなければ始まらない。まずは基本ボディの製造から

 まず最初の製造過程がボディの鋳造。素材となる亜鉛合金を高温で溶かし、それをゲートと呼ばれる金型の上部から数トンの力をかけて金型内に射出する。射出された亜鉛合金は一瞬のうちに冷えて固まり、金型から“カパッ”という感じで取り外すことができる。
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ボディの素材となる亜鉛合金の延べ板。これを少しずつ機械に入れ、高温でドロドロに溶かしたものが使用される。
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金型の下面部分。これにクルマのルーフ部分などが彫られた上部が組み合わされ、その隙間に亜鉛合金を流し込む。

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1/43の金型をセットする場面。かなりの重量なので、吊り下げ機を使って射出成型機にセットしている。
一瞬にして固まる合金を効率よく金型全体に流し込むことが重要で、合金は冷えた状態で流れると表面が荒れてしまう。それを防ぐために金型にはバイパスと呼ばれる合金が流れる道や、不要になった合金(オーバーフロー)がボディ面の外に溜まるようなスペースが彫られている。できたボディを係員がひとつずつチェックして、合格したものだけが次の工程へと進む。はじかれたものは再利用されている。

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成型された直後のボディ。バイパスを通って余った合金がバリのようになっているのが見える。このバイパスをいかに上手に作るかが、モデルの仕上がりに大きく関係する。
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職人の技術が大きくモノをいう。プロポーションの最終チェック。


成型・研磨

鋳造されたボディは、切断機でバリなどが切り取られた後、成型・研磨工程へと入る。ここではまずバリの取り残しや端部の凹凸などがヤスリで丁寧に修正される。またボディ表面にできた折れ線や金型勘合部のパーティングラインなどを研磨機を使って滑らかに仕上げている。
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大きなバリやランナーは手で取り、窓枠内や小さなバリは、切断機を使って切り落とすように取り除く。
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研磨機を使ってバフがけを行う。バフの素材も硬いものからやわらかいものまで実に多様な種類がそろっている。

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ボディやサスペンションアームといったパーツ別に専属の研磨職人が担当。非常に早い動きで次々と成型されていく。

 はっきりいってここの工程はクルマのフォルムを決定付ける非常に重要な作業工程。どんなに精密な金型でも、ここで削りすぎたり修正が足りないと、クルマはまったく別物になってしまう可能性すらあるわけで、まさに職人のノウハウが要求されるところなのだ。

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研磨・修正の終わったボディたち。この後表面の油分を落とすポリッシング工程へ。作業現場は近く、効率がいい。

 大きさや太さの違うヤスリを駆使して仕上げた後は、研ぎ石が入った洗濯機のような機械にボディを入れ、表面の油分などを落とす作業へと進む。

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丸い研ぎ石の入った洗浄機にボディを入れてポリッシング。薬剤を入れる工場もあるが、ここでは水と研ぎ石で20分程度磨く。

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ボンネット先端を研磨する前とした後。クルマの表情がまったく変わっているのに驚く。きれいにするだけが成型作業ではないのだ。

次回は

成型の終わったボディはいよいよ塗装工程へと進みます。
続きは次回で。

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