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Vol.046/ワークウエアブランドの系譜 前編【カーハート・オシュコシュ】

いまやファッションシーンに欠かせないジーンズですが、100年前は単なるワークウエアのひとつでしかありませんでした。アメリカの「黄金期」を根本から支えていたのは労働者たち。その労働者の身を守り、支えたのがワークウエアだったのです。リーバイス、リー、ラングラーといったデニム3大ブランドにはない、ワークウエアブランドならではの魅力を2回にわたって掘り下げていきます!

技術のない時代に生まれた最高のデザイン

Vol.046/ワークウエアブランドの系譜 前編【カーハート・オシュコシュ】

1848年ごろにカリフォルニア州で端を発したゴールドラッシュ。その時期に過酷な環境下に耐えられる丈夫なワークウエアが必要となり、デニムを使ったワークパンツが1870年代前後に誕生したといわれています。まずは、現在も人気を誇るワークウエアの老舗ブランドをご紹介しましょう。

○「Carhartt(カーハート)」
1884年にデトロイトで家具の卸売会社をスタートさせ、1889年からワークウエアの生産を開始。その最初のプロダクツが、ブラウンダック地とデニムで作られたオーバーオールでした。100年以上変わらない、「アクティブなシーンで活躍する人のためのウエア」という理念をもちつつ新しいアイディアとの融合を試みるカーハートのプロダクツは、いまでは世界中で販売されています。

写真は、「これぞカーハート!」と誰もが頷く、伝統のブラウンダック・パンツ。各所に施されたトリプルステッチは、昔ながらのワークウエアらしいディテールです。UFO型のリベットとダブルニーによって仕上げた丈夫なつくりも魅力でしょう。

○「OSH KOSH(オシュコシュ)」
鉄道建設ラッシュのアメリカで圧倒的に支持されたワークブランドがオシュコシュ。その歴史は、グローブ・マニュファクチャリング・カンパニーが1895年にウィスコンシン州に設立されたことから始まります。1911年にはオシュコシュ・オーバーオール・カンパニーへ社名を変更。現在では本格的なワークからカジュアルウエアまで、幅広く展開しています。

写真左は、ヘリンボーン生地のオールインワン。ワークの真骨頂ともいうべきこの“つなぎ”は、長時間着用しても疲れにくいことから多くのハードワーカーに愛されてきました。写真右は、1960年代ごろのフラッシャー。さまざまなタイプのオーバーオールがハードワーカーたちに支持されていたのがわかります。

Vol.046/ワークウエアブランドの系譜 前編【カーハート・オシュコシュ】

ほかを圧倒する超・老舗ワークブランドとは!?

Vol.046/ワークウエアブランドの系譜 前編【カーハート・オシュコシュ】

まずは、1851年から西海岸で展開していたとされる「BOSS OF THE ROAD(ボス・オブ・ザ・ロード)」。機関士向けのワークウエアを生産していた老舗ブランドです。

写真は、ベルトループがまだ存在しなかった時代の、サスペンダーで吊るして穿く元祖ワークパンツ。リベットも使えず、高性能ミシンもなかったため、特に負担がかかるポケットは生地を重ねることで補強。バックポケットに刺しゅうされたウエスタン調のステッチワークも、秀逸です。
このブランドは後にLee(リー)に買収されましたが、技術のない状況下で生まれたクリエイティブなディテールにはアッパレです!

下の写真左は、1871年からNYを拠点に展開していた「SWEET-ORR(スウィート・オール)」の1930年代カバーオール。当時のカバーオールで多かった五角形ポケット、実はスウィート・オールの象徴的なデザインなのです! メーカーは1950年代に消滅。

写真中は、1851年にサンフランシスコで誕生した「CAN'T BUST'EM(キャントバステム)」の1940年代カバーオール。“決して破れない”の言葉をそのままブランド名に。このブランドも1946年、リーに吸収されましたが、ブランドネームはワークウエアとしていまも存在しています。

そして最後は、1870年代デトロイト発のブランド「FINCK'S(フィンクス)」のオールインワンで(写真右)、ブタのトレードマークに「ブタの鼻は決してすり切れない」という意を込めて、その頑丈さを強気にアピール。1960年代にカーハートに吸収されてからはフィンクス、ヘッドライト、カーハートのトリプルネームでウエアをリリースしています。

Vol.046/ワークウエアブランドの系譜 前編【カーハート・オシュコシュ】  

技術がない状況下で試行錯誤して編み出された作品のディテールには、当時の人々の知恵が詰まっています。次回は、20世紀に入ってから誕生したワークウエアブランドを紹介します。お楽しみに!

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