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Vol.034/ユニオンスペシャルの名器 後編【現代でも選ばれる理由】
前回の記事
では、古くからヴィンテージ・デニムを作るのに使われていた伝説のミシンメーカー「ユニオンスペシャル」の魅力と、現代でも使われている名器を紹介しました。今回も引き続き、そのプロフェッショナルなスペックをいかんなく発揮しているミシンの数々を紹介しましょう。
現役で活躍し続ける貴重な名器たち
まず最初に紹介するのは、シングルステッチの平ミシン。当時、ユニオンスペシャル以外にも多くのメーカーがこの仕様のミシンを生産していたため、ユニオンスペシャルのシングルステッチは希少。さらに、このミシンはデッドストックで、箱付きの新品、付属品も完璧に揃っている状態で発見されたとか。フラットヘッドのあの印象的なヒップポケットを縫い付けているのは、こんな超貴重な名器だったのです。
2つ目は、裾上げ用に使われているチェーンステッチミシン。男らしいブラックに包まれたユニオンスペシャルは、1950年代前半以前に作られたものだとされています。穿き込むことで斜めに入ってくる独特のパッカリング(アタリ)は、このユニオンスペシャルにしか出せないといっても過言ではないでしょう。
ヴィンテージ・デニムのディテールを再現させる力
そして3つ目。これはチェーンステッチで帯付けをする際に使う、1960年代の生産と見られるミシンです。前引きのローラーに頑丈な鉄が使用されている点はユニオンスペシャルだけの仕様。デニム生地をガンガン前に引っ張りながら縫う仕組みになっているため、絶妙のアジが出てきます。
最後は、ベルトループを2本針で縫い上げるための巻き縫いタイプ。写真のミシンには綿糸の20番がセットしてあり、この糸で縫い上げたループ裏のステッチは、まさに脱帽してしまう美しさ。1920年代に作られたとされるユニオンスペシャルです。
ユニオンスペシャルにはこれまでの記事で紹介した8機種だけでなく、そのほかにも多数のモデルが存在しています。現在ジーンズ作りでは100%の綿糸を使うのが主流になっていますが、綿糸を使っていた時代に作られたユニオンスペシャルにとって、これはむしろ得意技。程よい張り感でデニムを縫い上げ、アタリもシワ感もヴィンテージ・デニムを髣髴とさせる美しい風合いを実現させるのです。もちろん現代のミシンでも問題なく縫製はできますが、履き込むことで出てくる独特の風合いや力強いステッチラインなど、昔ながらの雰囲気にこだわるからこそ、技術の進んだ現代でもヴィンテージのユニオンスペシャルが使われているのでしょう。
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