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Vol.031/ストーリーのある服を着よう 前編【米兵がオーダーしたパンツ】

1930年代、USネイビーに所属するひとりの男がいました。彼はさまざまな国々へ定期的に赴任するかたわら、その先々で米軍基地のテーラーたちに自分の服を仕立てさせます。しかも、自分のお気に入りの生地だけをそのテーラーに持ち込み、特に高い技術をもった熟練の職人ばかりを選んでいたそうです。サンフランシスコを出航する前にはデニムのワークパンツを仕立て、その後に向かった横須賀ではデニムシャツ、シャンブレーシャツなどを仕立てたとか。

……というのは、実はすべて仮想の話。これは、LAのメルローズ(現在はビバリーブルーバードに移転)にあるヴィンテージショップ「ミスターフリーダム」と、「シュガーケーン」によるコラボウエアのために作られたサイドストーリーなのです。
コラボ企画第2弾となる今回のシリーズ名は、「NAVAL CLOTHING TAILOR」。サンフランシスコで作られたという設定のウエアには「MADE IN USA」、横須賀で作られたとされるウエアには「MADE IN JAPAN」と表示されるほどの徹底ぶりです。
細かくストーリー設定がなされたユニークなウエアを、今回は紹介しましょう。

セーラーが夏場に着る、ライトオンスなワークパンツ

Vol.031/ストーリーのある服を着よう 前編【米兵がオーダーしたパンツ】 まずは、セーラーが夏場に着られるワークパンツをイメージして作られたこの一本。1930年代当時のライトオンスなワークパンツによく見られた細身のシルエットが特徴です。もちろんこのアイテムにもストーリーがあり、'32年の出航前に主人公が依頼したサンフランシスコの米軍基地内にあるテーラーが1台のミシンだけで作ったという設定から、すべての工程が1本針ミシンのみで縫われています。使用しているのは主人公が持ち込んだ(とされる)ハワイ産の藍で染色した11オンスの砂糖黍(さとうきび)デニムで、セルビッジ(耳)の処理(写真下-左)の処理も抜かりなし。さらに、左右非対称のヒップポケット(写真下-右)には本来リベットで補強される箇所にデニム素材を丸型にくりぬいたものを使用していたりと、かなり細かなオーダーだったことがうかがえるワークパンツに仕上がっています。

Vol.031/ストーリーのある服を着よう 前編【米兵がオーダーしたパンツ】

裏地のストライプで魅せるピーコート

Vol.031/ストーリーのある服を着よう 前編【米兵がオーダーしたパンツ】 まだ夜間の気温が低い時期に重宝するのが、このデニム仕様のピーコート。第一次世界大戦中のピーコートウールジャケットを、通常のウール素材ではなくデニムでアレンジした一着です。裏地にはストライプ素材を使用。こちらもサンフランシスコのテーラーが作り上げたという設定で、「MADE IN USA」のタグが誇らしげです。テーラーメードらしく、シルエットも細めの仕上がり。バックのセンターベントはオーセンティックな仕様(写真下-左)、アンカー彫りのボタン(写真下-中)、縫製にアイボリーの綿糸を使用(写真下-右)と、細部を眺めても楽しめる一着です。

Vol.031/ストーリーのある服を着よう 前編【米兵がオーダーしたパンツ】


次回は同じく「NAVAL CLOTHING TAILOR」のシャツを2点、紹介します。お楽しみに。


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