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趣味side/北欧デザインと共に暮らす

Vol.063/モーエンセン最後のデザイン【ウイングバックチェア・2Pソファ】

生涯をかけて庶民のために美しい家具を作り続けたデザイナー、ボーエ・モーエンセン。彼は自身の作品以外に、多くの名作家具をリ・デザインしたことでも知られています。今回は、英国式の革張り椅子をリ・デザインした「ウイングバックチェア」と「ウイングバック2Pソファ」をご紹介。モーエンセン最後の代表作となったこれらの椅子には、彼のデザイン哲学が集約されています。

20年以上デザインし続けて完成した椅子

18世紀ごろのイギリスに見られる伝統様式である「ウイングバックチェア」をモーエンセンが最初にリ・デザインしたのは、1939年のこと。しかし納得のいくものは作れず、彼は何度もデザインをし直すことになります。

彼がこの椅子を完成させるまでに要した時間は、実に24年。この形にたどり着くまでにモーエンセンは多くの作品を発表し、デザイナーとしてのオリジナリティを獲得していきました。完成したウイングバックチェアは英国特有の気品と彼の感性が見事に調和した作品となり、いまでも世界中の人々に愛されています。

20年以上デザインし続けて完成した椅子

モーエンセンが導き出した答え

モーエンセンが導き出した答え ウイングバックチェアには「ウイングバック2Pソファ」をはじめとするいくつかのバリエーションや、組み合わせて使うフットスツールが用意されています。こうしたラインナップこそ、モーエンセンが導き出したひとつの答えだったのです。

モーエンセンは「家具というのは椅子だけで成立するのではなく、生活のシーンに合わせてさまざまな組み合わせで使われてこそ意味がある」という考えの持ち主でした。英国の伝統をきちんと継承しつつ、自らの考えを作品に反映した結果、こういったバリエーションが生まれたのです。癌で亡くなる前年までウイングバック2Pソファを製作していたことからも、モーエンセンにとってこの作品がいかに重要であったかを知ることができるでしょう。

モーエンセンがリ・デザインしたなかでも、ウイングバックチェアは伝統をしっかりと踏襲した作品。彼は師であるコーレ・クリントから「伝統から学ぶこと」の大切さを学び、試行錯誤を繰り返しながら、伝統をきちんと継承することの真意を知ったのでしょう。ウイングバックチェアは、彼が生涯最後にたどり着いたデザインの境地なのです。


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