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趣味side/北欧デザインと共に暮らす

Vol.053/有機的なデザインのガラスウエア【ホルムガード・ルトキン】

1825年にデンマークで創業したホルムガードは、デンマーク王室御用達として知られる名門ガラスウエアブランド。同社の作品はアンティークとしても高い評価を得ていて、世界中の美術館にコレクションされています。今回はホルムガードの数あるラインナップのなかから、チーフデザイナーとして活躍したペア・ルトキンの作品をご紹介します。

くちばしのようなフォルムの「ビークベース」

ペア・ルトキンは1942年から'98年までの間ホルムガードに所属し、生涯で3000以上の作品を生み出しました。なかでも'50〜'60年代に発表された作品は人気が高く、世界中にコレクターが存在します。

'50年にデザインされた「ビークベース」は、ルトキンの代表作といえるガラスウエア。肉厚でぽってりとした口は生命力を感じさせ、花をいきいきとした印象にしてくれます。ちなみにビークはくちばしという意味。こういった有機的なデザインは、ルトキンの作品における大きな特徴のひとつとなっています。

また、素材に用いているガラスは非常に良質なもので、表面は驚くほどなめらか。つるんとした質感とユニークなフォルムのビークベースは、まるでオブジェのようにも見えます。確かな技術をもった職人が一つひとつ作り上げたこの作品は、芸術品と呼ぶにふさわしいものでしょう。

北欧デザインと共に暮らす

なお、ビークベースの底部に刻印されているのはデザイナーの名前。品名や品番、製作年やガラスを吹いた職人の名前が彫られることもあります。

北欧デザインと共に暮らす

肉厚なガラスが美しい「ハートベース」

北欧デザインと共に暮らす ビークベースと並んでルトキンの代表作として数えられているのが「ハートベース」。肉厚なガラスが柔らかなラインを描き、美しいフォルムを形成しています。色鮮やかな花を活ければ、小さくても魅力あるインテリアになってくれるでしょう。こちらもアンティークとして人気が高く、発表から半世紀以上が経ったいまでも多くの人々に愛されています。

ルトキンの作品の魅力は、実用性と芸術性が共存している点にあるといえるでしょう。「Feeling(感じること)」を自身のテーマとしていたルトキンは、使い手がどう感じるかを真摯に考え、作品に反映させました。工芸家が陥りやすい芸術に偏った主観的な視点よりも、生活の目的にかなった実用と美の共存を重視したのです。

ルトキンが活躍した'50年代は、北欧のガラスウエアが独自の進化を遂げた時代。その背景には、手工業が発達していた北欧ならではの芸術性の高さと、職人の技術の確かさがありました。国と時代を超えて親しまれているルトキンの作品は、北欧ミッドセンチュリーの魅力を象徴しているのです。


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