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趣味side/北欧デザインと共に暮らす

Vol.046/エーロ・アールニオの椅子 前編【ボールチェア・バブルチェア】

ミッドセンチュリーを代表するフィンランドのデザイナー、エール・アールニオ。1963年に発表された「ボールチェア」をはじめとして、近未来を感じさせるような作品を数多く残しています。彼の椅子は映画などの小道具に使われていることがあるので、知っている人も多いかもしれません。今回から前後編に分けて、その代表作を紹介していきます。

デビュー作にして代表作「ボールチェア」

アールニオがフリーランスとして活動するようになって初めて発表した作品が、この「ボールチェア」。デビュー作であると同時に、もっとも有名な作品となっています。丸い球の一部を切り取ったような形状で、内側は全て革張り。そこにクッションが置かれていて、座ると体が包み込まれるような感覚を味わうことができます。また、周囲の音が遮断されるようになっているので、個人の空間として楽しめるようなつくりになっているのも特徴です。

近未来的なデザインが大きな話題を呼んだボールチェアは、映画『2001年宇宙の旅』に登場したことでも有名。その先進的なデザインに魅了された人は多く、当時のフィンランド大統領、モナコのグレース王妃、イヴ・サンローラン、フランク・シナトラといったビッグネームも愛用したといわれています。

北欧デザインと共に暮らす

宙に浮く感覚を楽しめる「バブルチェア」

北欧デザインと共に暮らす 「ボールチェアにもっと光を彩り入れることができないだろうか」という発想から作られたのが、このバブルチェア。アクリル樹脂を熱によって膨らませ、スチール製のフレームを取りつけ、中にクッションをセットするというシンプルなつくりになっています。使うときは天井から吊り下げて、ブランコの要領で座ります。ボールチェアと同様、包み込まれるような座り心地で、名前のとおり泡の中にいるような独特の浮遊感を味わえるのが特徴です。

アールニオの作品には、1960年代に広く使われ始めたFRP(強化プラスチック)製のものが多く見られます。ミッドセンチュリーと呼ばれる時代、欧米諸国は産業力を背景に鉄やプラスチックなどの家具デザインを生み出し、北欧諸国は身の丈にあった「美しい生活用品」をつくるという流れがありました。そのため樹脂系の素材を駆使して自由な形状のインテリアをつくっていたアールニオの作品は、北欧よりも先にアメリカで評価されたのです。アールニオが初期に作成したふたつの椅子は、北欧のデザイナーでありながら新しい素材の可能性を示した、前衛的な作品であったといえるでしょう。

後編も、アールニオの代表的な作品を紹介していきます。

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