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Vol.021/ヤコブセンチェアができるまで【フリッツハンセンの精密な加工】
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アルネ・ヤコブセン(以下ヤコブセン)の代表作といえばセブンチェア。セブンチェアについては Vol.004/北欧の椅子といえば「セブンチェア」(ヤコブセンの代表作)で詳しく説明しているのでご存知の方も多いでしょう。その「セブンチェア」や同じくヤコブセンの名作椅子である「アントチェア」を制作してきたのが、デンマークにあるフリッツ・ハンセン社です。コペンハーゲンから車で1〜2時間ほどの場所にフリッツ・ハンセン本社があり、現在もそこでセブンチェアとアントチェアの製造が続けられています。今回はヤコブセンの椅子がどのようにつくられているかを紹介しましょう。
○木材のカット
合板にする前の板に布を貼り、サンディング(木の表面を磨く作業)した後、機械を使って大まかにカットする作業が最初の工程(写真左)。アントチェア、セブンチェア共にシェルは9層の合板から成っています。機械でカットされた1枚1枚は、紙のような薄さ(写真中央)。合板の9層のうち、上下各1層には写真のような長方形の板3枚を加工したものを使います(写真右)。 |
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○プライウッドのプレス
カットされた板を重ね、プレス機へ。上下に重ねる長方形の板は別工程で加工済みです(写真左)。プレス機にかけるときは人間の手で作業します。重量にして86トンに達する9枚の板を105℃の高温で圧着。2分間プレスを続けてようやく作業完了です(写真中央)。その後20分間冷却、さらに別の場所に移動させて2日間置いて安定させた後、次の工程へと進みます(写真右)。 |
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○ラウンドチェック
シェルの角をヤスリで削り、形を整えていきます。この工程はすべて人間の手作業で行い、左右対称かどうかも入念にチェックします(写真左)。
○下地を作る
塗装の「くいつき」を良くするため、シェル全体を機械によってサンディング。下地の塗装とサンディングをていねいに数回繰り返します(写真中央)。下地の塗装は機械作業。この後再びサンディングと下地塗装を繰り返します。シェルのカラフルな発色には欠かせない作業です。サンディングと下地塗装を繰り返す間、乾燥を待つシェルの姿。ぐるぐると回転させながら空気を当てるなどして乾燥を早めています(写真右)。 |
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○シェルの塗装
下地作業が済んだら塗装作業です。電着塗装を行い、重ね塗りをすることでキレイに発色させます。塗装工程は一脚あたり約50分ほどです。塗装されたシェル、下地塗装の途中のシェルがつり降ろされ乾燥を待つ姿。ムラなく均一に塗るために塗装の工程はすべて機械で行われています(写真左)。
○脚の取り付け
塗装を終えたシェルに、金属製の脚を取り付ければ完成。無人の貨物車が脚やシェルを運ぶ姿があちこちで見られます(写真中央)。写真(写真右)が完成したセブンチェアとアントチェア。 |
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フリッツ・ハンセン社の理念は、新しいデザインであると同時に時間を経ても変わらない強さを持つデザインをつくっていくこと。そのことが余計な装飾を省き、必要なものしかないシンプル、明快なデザインにもつながります。もちろん機能性を充実させることも忘れていません。1952年にアントチェアが誕生して以来50年以上が経過していますが、ヤコブセンがデザインした椅子の出荷数はいまだに伸びているといいます。それはフリッツ・ハンセン社の企業理念とヤコブセンのデザインがリンクしているからなのでしょう。
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