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Vol.019/一枚革の椅子を堪能する【モーエンセンのスパニッシュチェア】
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ボーエ・モーエンセンは1914年、デンマークにあるユトランド半島のオルボーで生まれました。20歳で家具マイスターの資格を取得したあと、コペンハーゲン芸術工芸学校、王立芸術アカデミーでデザインを学び、建築事務所を経て、36歳で独立し事務所を開設。58歳の短い一生を終えるまで、庶民のために美しい家具を作ることに生涯を捧げました。
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スパニッシュチェアが愛される理由
モーエンセンがデザインした椅子の代表作であるスパニッシュチェア(写真)。この椅子は、スペインの貴族が使用していた一枚革の木製椅子がモデルになっています。この一枚革のデザインは、自動車の普及によって職を失った馬具職人たちの救済も考慮されたもの。このような配慮がモーエンセンらしさでもあります。また、アームが幅広になっており、ちょっとしたテーブル機能も備えた逸品です。 |
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スパニッシュチェアは、時間が経つほどに革が馴染み、使うほどに味わいがでる魅力的な椅子。使っているうちに伸びてしまうことが多い一枚革は座面の裏側にあるベルトで締められるようになっています(写真上)。使っている革は、モーエンセンの椅子を制作しているフレデリシア社が認めたスペインのタンナー(革をなめす業者)からしか仕入れていないとか。モーエンセン邸の書斎にも置かれており(写真下)、素朴でやさしいデザインのスパニッシュチェアは、1人で過ごすリラックスタイムにピッタリの椅子です。
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デンマークといえばハンス・J・ウェグナーやアルネ・ヤコブセン、フィン・ユールなどの著名デザイナーが多数いますが、街に浸透している家具の多さではモーエンセンが群を抜いています。現地を歩くと、バーに置かれたソファ、レストランに置かれた小椅子など、知らず知らずのうちにモーエンセンのデザインした椅子に腰掛けていることも。自宅をアトリエにしていたモーエンセンは、自らが暮らしている空間をヒントに日常使いの家具をデザインしていました。より生活に馴染んだ家具が生まれたのは、そのような環境があったからこそでしょう。 |
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もっと知りたい! モーエンセンの椅子
上記の「スパニッシュチェア」だけでなく、モーエンセンはほかにも多くの名作を生み出してきました。ここではその中からいくつかを紹介します。
○ハンティングチェア(写真左)
スパニッシュチェアと同じく一枚革でできた椅子。コペンハーゲンの「家具職人ギルド展示会」(家具職人の新作展)の出展作品で、そのときのテーマは「ハンティング・ロッジ」だったとか。1950年に発表され、一時期は生産が止まっていましたが、その後復刻され、今に至ります。
○J39(写真右)
戦後の物不足の社会で支持されたシンプルさが特徴の椅子。座ると座面がへこむため座り心地もよく、強度も備えたダイニングチェアの傑作です。
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このように多くの椅子を発表してきたモーエンセンですが、どの椅子にも共通して言えることがあります。それはシンプルであっても椅子としての機能を十分果たしていること。モーエンセンの椅子がこれだけデンマークの街に浸透しているのも納得です。 |
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