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趣味side/北欧デザインと共に暮らす

Vol.009/ノルウェー発疲れない椅子「バリアブル」(奇妙な型をした椅子)

この椅子が発表された当初、誰もが目をみはった奇異な形の椅子、それが「バリアブル」。腰を下ろす座面とひざで体を支えて座るこの椅子は、デザイン性の奇抜さを狙ったものではなく、人間の身体を気遣って生まれました。

この形は発案者であるハンス・メンショールがバランスグループというデザインユニットを主催し、所属する3人のデザイナーにアイデアを具現化させたのが始まりです。しかし、1979年のスカンジナビア・ファニチャーに出展した当時は奇異の目で見られるだけでほとんど売れなかったといいます。

しかし、椅子が売れなかったにもかかわらず、ファニチャーフェアに出展した段階で製造を決めていた3社、ストッケ社、ホグ社、リボ社はこのアイデアを支持し、地道にセールスを積んでいきました。その結果、「長時間着座していても疲れない」「姿勢がよくなる」などユーザーからの反響もあってバリアブルのようなバランスチェアが表舞台に出てくるようになったのです。

北欧デザインと共に暮らす

「人間は動的な生き物である」という発想から生まれた『バリアブル』

ここで紹介するストッケ社の「バリアブル」はバランスグループの中でも最もユニークな考え方をしたピーター・オプスヴィックのアイデアが発揮されている作品。ピーターがアイデアを具現化するにあたって重要視したのは、人間が動的な生き物である、ということ。

人は椅子に座っている時間、ずっと同じ姿勢を維持しているわけではなく、むしろひと時もじっとしていない生き物。重心をどちらかに移したり、背もたれにもたれかかったり。そういった動作を通じて人は体のバランスをとっている、というのがピーターの考え方でした。

バリアブルの脚をみるとロッキングチェアのように湾曲しているのが分かります。しかし、この不安定に揺れる脚は安楽を演出するものではなく、身体に対して常に不安定な刺激を与えて、身体のバランスを自分の力で元に戻す装置のようなもの。座面と膝当てで体重を分散し、姿勢を正しながらさらに身体のバランスを整える椅子。効力が科学的に証明されているわけではありませんが、その利用者の声はご承知のとおり。まだ座ったことがないなら一度試してみてはいかがでしょう。

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