雨の日の走行は誰しもイヤなもの。路面が濡れていると、タイヤが滑ってしまいそうでびくびく走っていませんか? 今回は、これから始まる梅雨の季節に知っておきたい雨の日のスリップ予防法をご紹介します。
雨の日に特に怖いのは、濡れた路面上のペイント。タイヤが滑りやすいタイミングに限ってラインの上に乗ってしまい、慌てることはよくあります。ここで危ないのは警戒心のあまり、思った以上にリキんでしまうこと。怖さが先に立ちハンドルにしがみついていると腰がシートの前方にずれやすく、バイクに安定して体重を載せることができません。両腕も不自然な体勢で固まってしまうのでとっさの操作ができず、結果としてバランスを崩しやすくなってしまうのです。シートにしっかりとお尻をつけ、なるべくリラックスした体勢を心がけましょう。また不安を抱えて乗っていると、ついつい近くばかりを見てしまいがち。視界も道路状況も悪い雨の日だからこそ、目線はできるだけ遠くに向けるようにしましょう。
とはいえ、濡れた路面ではどうしても緊張するし、タイヤだって当然滑りやすいのです。そんなときのために身につけておきたいのが、雨の日に適したブレーキのかけ方。そもそも雨天時のブレーキは、ディスクが濡れているので通常の走行時よりも効き始めが鈍くなっています。もともとディスクブレーキは構造上、ある程度の温度まで温まらないと本来の力を発揮してくれません。ではどうやってディスクを温め、ブレーキを効きやすくすればいいのでしょうか。その方法をご紹介しましょう。
ブレーキングは、雨の日も基本的にドライコンディション時と同じ2段階の操作を行います。ただし気をつけたいのは、最初のレバー操作を通常よりも長めに行うこと。レバーは強く引かずに【1】から【2】までの位置まで軽く引きましょう。徐々に手ごたえが重く感じてきたら、ブレーキパッドがディスクに当たり始めた合図。ゆっくり「い〜ち」と数えるくらいこの状態をキープしてからレバーへかける力を強めていきます。慌てないでリラックスすることを心がけましょう。
【2】の位置でちょっと待っていると、パッドがブレーキディスクについた水分を拭き取ることで、ディスクの温度が上がっていきます。そこで再びブレーキレバーを引き始め、【3】の位置までグッと引き込んでいきます。本当にわずかな違いですが、一気にブレーキレバーを握り込むのではなく時間差を十分にとった操作は、結果として安定したブレーキングを可能にします。最初はとまどうこともあるかと思いますが、実際に試せばすぐにタイミングがわかるはず。焦らず感覚を掴みましょう。