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『ジャック・パーセル』

ジャック・パーセル

今回は、コンバースを代表する名品、「ジャック・パーセル」の紹介です。

「ジャック・パーセル」は1930〜40年代に活躍したバドミントンプレーヤーのジャック・パーセル氏の名前をとって付けられたモデル。
ジャック・パーセル氏本人が開発に関わったことから「ジャック・パーセル」と名づけられました。




「ジャック・パーセル」はコンバースを代表する名品とされていますが、実はコンバースよりも前に別の会社で作られていたことがあります。
コンバース以前は、B.F.グッドリッチというタイヤメーカーでさらにその前はスポルディングで作られていました。1935年〜1955年がスポルディング、1955年〜1972年がB.F.グッドリッチ、1973年〜現在までがコンバースでジャック・パーセルは作られていたと言われています。

スポルディング製のジャック・パーセルは現存するものがないので、現行のコンバース製との違いがわかりません。B.F.グッドリッチ製とコンバース製との違いは「ジャック・パーセルコレクター対談」でも述べられているようにラスト(木型)の違いが挙げられます。B.F.グッドリッチ製の方が、コンバース製よりも細い作りになっています。

また、インソールにも違いがあります。B.F.グッドリッチ製のジャック・パーセルには「ポスチャー・ファンデーション(略してP.F)」というインソールを採用しており、現行のコンバースのものとは違う作りになっています。


ポスチャー・ファンデーション

「ポスチャー・ファンデーション」とは、B.F.グッドリッチが持つブランドの「P-Fフライヤー」が開発したアーチサポートシステムのことです。
これは、土踏まずのある足の内側部分を高くし、外側を低くしたものです。内側を高くしたことで、土踏まずが支えられ、正しい姿勢をとり易くする機能があります。
なお、ジャック・パーセルの特徴の一つであるヒールパッチの通称「青ひげ」は、ポスチャー・ファンデーションを図で示したものだと言われています。

青ひげ

コンバースは、B.F.グッドリッチのシューズ部門を買収した際に「ジャック・パーセル」ブランドを手に入れました。
しかし、P-Fフライヤー及びポスチャー・ファンデーションは独占禁止法に触れるため入手することができませんでした。そのため、コンバース製のジャック・パーセルでポスチャー・ファンデーションを採用しているのは初期頃までで、その後は違うインソールを採用するようになりました。



ブックレット 前述した一般に伝えられているジャック・パーセルの歴史には、いささか疑問があります。第一にスポルディングのジャック・パーセルの存在についてであります。
スポルディングがジャック・パーセルのライセンスを持っていた時にバドミントンラケットなどの関連グッズが販売されていたのは、カタログなどから見てとれます。しかし、ジャック・パーセルのスニーカーの存在を示すものが今のところありません。

1940年前後に作られたジャック・パーセル 今回「ジャック・パーセルコレクター対談」に協力してくださった「世界一のジャック・パーセルコレクター」と自負する河原氏ですら、スポルディングのジャック・パーセルは見たことがないとおっしゃっています。

河原氏の所有するブックレットに1939年製のジャック・パーセルが記載されています。これは、写真を見れば分かると思いますが、B.F.グッドリッチ製であります。
また、河原氏が所有するコレクションン中に1940年頃に作られたとされるジャック・パーセルがありますが、これもB.F.グッドリッチ製です。



以上のことから仮説として、1935年〜1955年までジャック・パーセル関連のライセンスはスポルディングが所有していましたが、スニーカーに関してはB.F.グッドリッチが作成していました。そして、1955年からライセンスも含めてジャック・パーセルは、B.F.グッドリッチのものとなり、スニーカーも大々的に販売されるようなったのではないかと考えられます。

もちろんこれは、仮説であり、事実は全く違うかもしれません。なにぶん、70年近く前に販売が始まったスニーカーであります。歴史を全て正確に把握することは難しいといえます。
ただ、三つのメーカーを渡り、現在でも販売されている「ジャック・パーセル」は、70年の時を感じさせないスニーカーの名品という事実は、間違いないことでしょう。






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