トップボタン左横のウエストバンドに当時の持ち主が付けたと思われるボタンが施されている。ウエストバンド右横や背中側中央にも擦れダメージがある点から、おそらくサスペンダーボタンを自分で付けていたのだろう。当時は希望すれば購入時にサスペンダーボタン取り付けを行っていたようだが、リーバイスボタンでない点から判断すると、自分で打ち込んだ可能性も否定できない。どちらにしても当時の方が施したボタンだ。この1つ以外は欠損し、擦れとなっているのだろう。このような箇所もヴィンテージならではの歴史を感じるディテールの1つといえるだろう。股付け根には見事なヒゲ。この芸術的な色落ちは、デニムを洗わずに過酷な労働下で穿き込むことによって生まれる。しかしそれだけデニム地にダメージが発生することも確かである。この501XXも例に漏れず、所々ダメージがあったため、デニムドクターによるリペアが施されている。デニムドクターとは、現在HTCベルトやスティーブンソン・オーバーオールのオーナーとして有名なジップ氏が、まだデニムのリペア業をしていた頃の名である。股以外にも左腿、右膝、右臀部にタタキリペアが施されているが、色落ちに合わせた糸を使用しており綺麗に仕上がっている。実物を見るとリペア箇所が分かりづらいので、全く気にならないだろう。
バックルバックも綺麗に残る。左側のウエストバンドに打ち込んでいるリベットが表裏ともに欠損しているが、ステッチでがっちりと縫製されているので取れる心配は無い。バックル自体もしっかりしており、サイズ調節することも可能。バックル部には波線模様とSOLIDEの文字が確認できる。2本の針もしっかりしており、デニムに突き刺しても折れる心配は無い。あえてベルトをしないでバックルバックでサイズを調整してしまうのも面白いだろう。
革パッチはご覧のように割れている。革自体は柔らかい状態ではあるが、相当縮んでいたようで破れてしまったのだろう。このままの状態でベルトを通して着用していると、どんどん取れてしまうので注意したい。印字は全て消えてしまっている。赤タブはもちろん片面LEVI'Sのもの。若干色抜けしているものの、綺麗に残っている。赤タブが初めて採用されたものなので、当時の人達はどのような反応を示したのだろう。誰もが知っている赤タブも、採用当時は賛否両論だったのであろうか。考えさせられる・・・。
アウトシームのセルビッジ。赤ラインはピンクに色抜けしているが確認できる。裾は破れていた箇所を綺麗に直しているため、チェーンステッチは全てリペアの際に入れ直している。これもデニムドクターのジップ氏によるものだが、この糸は同じ30年代後期〜40年代初期のイエロー綿糸を使用。バックポケットの剥き出しリベットもこの頃に隠しリベットに変更された。