この時代のものはベルトループがありません。まだジーンズという言葉は無く、ウエストオーバーオールと呼ばれており、サスペンダーを使用していました。トップボタンと6つのサスペンダーボタンは同デザインで、「LEVI STRAUSS & CO ★ S.F.CAL ★」の浮き彫りロゴ、ボタン中央が窪み、中央が球面になっているものが使用されています。これは1900年代初めに作られた特徴的なディテールの1つです。リベットは平たいもので、「-L.S.&CO-S.F.」の刻印入りで、中央の凸部分を見ると、叩いて打ち込んでいたのがよく分かりますね。縫製は全てオレンジ綿糸で、ステッチのピッチは約1mmと非常に細かいです。フロントボタンは刻印無しのもので、中心部が窪んで中央に球面の凸部分があるデザインです。同年代の501XXのフロントボタンは、同じデザインでボタン外周にヤスリ模様が施されていますが、これも501XXと201を差別化したディテールの1つと言えるでしょう。当時の土のようなものが硬化して残っているのも歴史を感じます。コインポケットは黄色いライン入りのセルビッジ付きです。No.2デニムといえど、今見るとどこが廉価版なのかと思わせるくらい素晴らしいデニムです。
廉価版である201にはこのように布パッチが付けられており、デザイン的には革パッチと同じですが、ちょうどツーホースマークの横に「No.2」と赤いスタンプが押されています。約100年前のものとは思えないくらい綺麗に残っています。
シンチバックは丸みのあるもので、表面には黒ラッカー塗装が施されていた痕跡があります。ちょうどシンチバック右上のウエストバンド部分の生地を縫い合わせた箇所がありますが、これもこの年代ならではの特徴的な箇所です。このような縫い合わせ方は1920年代以降のものではまず見られません。
1本針で縫われたアーキュエイトステッチは、歪な形が素晴らしい雰囲気です。細かいピッチで縫われており、解れは一切ありません。バックポケットはもちろん剥き出しリベット仕様で、赤タブはありません(赤タブは1936年採用)。バックポケット口はデニム地を折り返して1本のシングルステッチで縫製している点もこの年代ならではの特徴です。裾はオリジナルのシングルステッチです。当時はまだチェーンステッチを採用していませんでした。インシームは脇割りですが、これもこの年代の特徴の1つ。