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アクリル製作現場訪問

ワーズウィズの製品は静岡県にある工場で制作されています。静岡といえば家具の一大産地。古くは徳川三代将軍家光公が浅間神社を造営した時に全国各地から集められた漆工や大工、指物師、彫刻師などの職人たちの多くが造営後も定着したことから始まったと言われています。そんな土地柄を反映して、アクリルと木材と材料は違うものの、ワーズウィズの製品はすべて職人による手作業で作り出されています。

今回は特別に製品が出来上がるまでの過程を見せてもらいました。ワーズウィズでは主に、アクリル板を仕入れて曲げや接着などを行う「加工」と、液状のアクリルを流し込んで固める「注型(ちゅうけい)」のふた通りの方法で家具や店舗什器、インテリア雑貨などを製作しています。そこで、このふたつがどういう工程で出来上がっていくのかを見ていきましょう。

アクリルを加工する                               <インテリア・雑貨>

アクリルテーブル画像
国内メーカーから仕入れたアクリル板を使用し、ブックスタンドなどの小物から、テーブルや店舗什器など大型の家具も制作しています。材料となるアクリル板は透明なものから、色の着いたカラーアクリル板まで用途によって様々。基本的に作業はすべて職人による手によるものです。アクリルはデリケートなので、季節による気温や湿度の変化にも敏感。そのあたりの微調整はやはり蓄積されたノウハウが活かされています。

ワーズウィズでは「簡易接着」「簡易重合接着」「重合接着」という3種類に分けて接着を行っています。写真は簡易接着で、注射器に接着剤を入れて固定していきます。約30秒ほどで固まってしまうのでスピードと正確性が必要な作業。ここで注意しなければいけないのが静電気と表面に着いた油分で、空調管理が行われた部屋で表面をキレイにしてから接着を行います。

また、家具などある程度の強度が必要なものは「簡易重合接着」、水族館の水槽など特に強度を要するものに関しては「重合接着」という熱を使ってつなぎ目を一体化させる高度な技術を用います。

液体アクリルから注型する

注型(ちゅうけい)とは、型にアクリルの原液を流し込んで固めること。左の写真はこの手法でバラの造花を封入したものです。バラを置きたい位置の底辺まで液を流し込み一旦固め、バラを入れてさらに液を流し込むことによってこの位置に封入できるというわけ。素人目には境はほとんど分からないほどの精巧な作りに驚きです。水分のないものなら大抵のものが封入できるとのことなので、可能性は無限大です。

アクリル原液に、製品ごとに必要な添加物を入れて攪拌(かくはん)し、型に流し込みます。刺激臭はしますが、水のようにサラサラした液体。固まるとこの臭いもなくなります。

原液を入れた型をこの窯へ入れて、窒素ガス、圧力と熱を加えていきます。物にもよりますが、7〜8時間この窯に入れた後、4〜5時間かけて自然冷却を行うという時間と手間のかかる作業です。時間や圧力のかけ方は、製品や季節によっても変わってくるので、何度も実験を重ねてデータを蓄積してきたとのこと。小さなものは高温・高速、大きくなるほど低温・低速が基本です。


検品には厳しい基準を設定

工場検品画像
検品では接着面や曲げの部分に問題はないか、キズはないかなど、厳しくチェック。アクリルは美しさが重要なだけに、気泡や磨き残しなどはご法度です。ワーズウィズでは独自の検品基準を設けて、厳しく製品を管理しています。

広がるアクリルの可能性


アクリル板とアクリル板の間に木の皮を挟みこんで込んで接着剤を使い同化。板と板の間に入れる接着剤のハリシロ(厚み)によって、例えばこの木の皮に動きをつけることもできます。これは2008年6月に開通する地下鉄13号線(東京)に置かれるアクリルチェアの試作品で、渋谷・新宿・池袋の3駅に200脚ほど置かれる予定です。

ワーズウィズの作品一覧へ



アクリルはエコな素材 

製造過程で出たアクリル板の端材などは、溶かしてまたアクリル製品の材料として再利用が可能。アクリルは実はエコロジーな素材なのです。また、使用中および燃やしたときでも有害物質は一切出ないので、アレルギーをお持ちの方でも安心してお使いいただけます。

制作者インタビュー:ワーズウィズ 取締役 小澤輝高さん


――なぜアクリル製品を作ろうと思ったのですか?
「やっぱりキレイだからですね。ガラスよりも透明度があって、さらにある角度から見ると虹色にも見えるんですよ。そういう素材感の魅力に惹かれました。例えば厚みのある物のソリッド感などは、ガラスでは表現できないですし、他の樹脂素材でも表現できません。尚且つ、透明感があって、輝いていて美しい。そういう素材はアクリルしかないですね」

――工場を始めたのはいつごろですか?
「30年くらい前から親父が小さな工場をやっていたのですが、私の代になってアクリルという素材を自分たちの手で商品に落とし込んでいってプレゼンをしていこうという方向に変えていきました。もともとアクリルはスーパーマーケットや銀行の仕切りとか、看板などの工業製品寄りの使い方でしたが、キレイな素材なのにもったいないと思いまして。もっと一般家庭の中に広まっていくんじゃないかと考え、自分たちでブランドを立ち上げました」



作品画像
――これまで手掛けてきたもので印象に残っているものは?
「東京農業大学の博物館にある「酒用壁面ディスプレイ棚」ですかね。左右の長さが10mくらいあるんですよ。だけど床がガタガタで、左右の高さが4cmくらいレベルが出ていなくて、そこに升目のものを施工していくのは大変でした。ソファや展示パネルも含めてたしか半年くらいかかりましたね」

――ワーズウィズが他のアクリル製品に負けないと思うところはどこですか?
「全般なんですけど(笑)、やっぱりコストかな。もともと原料自体が高い素材なので、一般家庭向けの商品には難しいものなんです。そこを我々の考えに賛同してくれる原料メーカーさんに協力してもらって、コストを下げることができました」

――アクリル製品を今後どのように展開していきたいですか?
「アクリルって実はリサイクルもできて、環境にやさしい素材なんですよ。特に日本のアクリルは不純物が少なくとても素材がいいので、有害物質も含んでいません。それでいてキレイです。テーブルでも、イスでもいいので、生活の中の一部として普及してほしいですよね」



このページで紹介したワーズウィズの商品はサイドリバーにて好評発売中です。詳しくはこちらのページをご覧ください。


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