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革の基礎知識講座(デザイン・インテリア・雑貨)

革の基礎講座 


第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回

革の基礎講座 第2回

編み込んだ革が手になじむ「イントレチャート」

イタリアの職人が手作りで
仕上げたのは、持ち歩く芸術


 メンズのファッション誌などの見出しにも大きく取りざたされる「イントレチャート」。最近の、ラグジュアリーブランドのレザーアイテムに多く見られる技法のひとつで、耳慣れない単語はイタリア語で「手編み込み」を指す。読んで字のごとく、ラムスキンなどの柔らかなレザーをテープ状に裁断し、それを手作業で職人が編みこんでいくという、イタリアの伝統工芸だ。

 籐の籠などと同じつくりではあるが、素材は柔らかなレザーであるためにテンションの掛けかたなど、微妙なサジ加減が必要とされ、その工程には必然的に手間と時間が掛かる。ラグジュアリーで繊細な表情はもちろん、手のひらに触れたときの、一枚革にはない柔らかな質感は筆舌に尽くしがたい。

革の基礎講座 第2回

ハードに見えて実はセクシー「パンチングレザー」

革の基礎講座 第2回 新解釈で生まれ変わった、
懐かしい技法が人気上昇中!


 かつては、パンチングレザーと呼ばれ、主にバイク乗りのための夏用グローブなど、通気性といった機能のみに焦点を当てた、限定的な製品が多かった。しかし最近のトレンドをみてみると、やはりラグジュアリーブランドのウォレットやバッグなどのレザーアイテムに多く採用されるようになっているようだ。

 これはかつてのパンチングレザーの捉え方とは違い、見た目のインパクトの大きさと、パンチングによる軽量な素材感によるところが多いようだ。

また、見えそうで見えない、というシースルーな感覚がセクシーな印象を抱かせるゆえ、艶っぽさと男らしさを求める男性に人気だ。ここ数年でグッと需要のレンジが広がっている注目技法のひとつである。



革トリビア1:基本的な革の鞣しは、捕らえた動物そのものの臓器に浸す方法だといわれている。現在では行われていないが、そのメカニズムは受け継がれている。胆と塩で漬け込んだ食品。それは、「イカの塩辛」である。



洗いをかけた風合いが魅力「ウォッシュドレザー」

レザーの不可侵領域だった、
“ウォッシュド”を手に入れる


 「革ジャンは洗う!」というワイルドな人々は多い。バリバリの新品を着る気恥ずかしさと、少しでも早く着古した風合いが手に入るからだ。

しかも製品としてカタチになった状態で洗う方が断然格好いいのだ。それはレザーメーカーも知っていた。

だが製品加工をすれば、天然素材がもつ個体差がハッキリと出てしまい、サイズのバラつきは必至となる。

おのずとB品率が高くなり生産率は低下してしまう。そんなジレンマが、ここ最近の技術革新でクリアになりつつあるようだ。

綿密な縮率計算で、個体差によるサイジングのバラつきを抑え、ウォッシュ後のオイル投入などを施すことで、品質を保ちながら風合いある表情を引き出すことができるようになった。

革の基礎講座 第2回

エコ派を自認するなら必携!「リサイクルレザー」

革の基礎講座 第2回 地球環境を配慮した、未来の革。
レザーもリサイクルの時代へ


 生産業に携わる企業が直面している問題のひとつ。それが地球環境への対策である。

とくに近代の革鞣しは、クロムやホルマリンなど毒性の高い廃液を出すことは必至で、廃液ろ過をはじめとする環境保全対策はすでに必須項目だ。

また、クロム鞣しの革は簡単に焼却できず、生産過程で不要になった廃材の処理も問題だ。こうした浄化システムに資金を投入できないタンナーは、現実的に廃業を余儀なくされているのが現状だ。

そこで登場したのがリサイクルレザーという新しい道。廃材となる革チップを細かく刻み、特殊な溶剤で固めたリサイクルレザーやクロムを使用しないノンクロムレザーなどは、皮革産業の未来に一石を投じる切り札となりそうだ。



革トリビア2:英国の某タンナーはローマ時代が起源。ローマ軍の甲冑を製造していたのだが、なぜ英国製か。それは支配地域を広げたことでローマから送るより早く、前線に甲冑を届けられたから。まさにライセンス生産の起源なのだ。



革をまとったヒーローたち@

革をまとったヒーローたち@

我々が革を身につけるきっかけとなる要素として、もっとも多いのが、映画に登場するヒーローの影響ではないだろうか。

 そんな中で、伝説的な存在となったのが、『ワイルド ワン(邦題・乱暴者)』のマーロン・ブランドである。良くも悪くもダブルのライダースジャケットを、バイカー=悪と確立したのは彼だった。実際にアメリカで起こったギャングの抗争をもとに映画化したこの作品は、当時の世論の物議を醸し、大人からは不良の服として忌み嫌われ、社会の中で居場所を失った若者たちは憧れ、自分の姿をダブらせた。その後もロックミュージシャンなどに愛用され、ブラックのライダースジャケットは、今でも反抗の象徴であり続け、艶かしい光沢を放っている。




「リアル・デザイン 2006年12月号」掲載

文=実川 実(シティライツ)、編集部
text:Minoru Minorukawa(City Writes)、Real Design
写真=片桐 圭、添田 実、桑山 章
photo:Kei Katagiri、Minoru Soeda、Akira Kuwayama
イラスト=A&W Design
illustration:A&W Design

※掲載されている商品は2006年10月時点のものです。
現在はお取り扱いのない場合も ありますので、
あらかじめご了承ください。


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