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これだけは覚えておきたい革のこと
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この素材を表記するとき「皮」と「革」、どちらの漢字を使うのか悩む人は多い。どちらも「かわ」だが、動物から剥いだ生の状態のものを皮。対して、我々がバッグや小物として触れているものは革として表記するのが正解だ。この両者は「鞣し」というプロセスの有無によって区別されている。鞣しとは動物の生皮の主成分である蛋白質を固着させることで腐敗を防止し、柔軟さを保持させる技術を指す。その起源は古く、すでに原始の人々は捕らえた動物の内臓に皮を浸けるという、初期の鞣し方法を実践していたとされる。彼らが纏う動物の毛革こそ、現代も連綿と続く稀有なマテリアル「革」の歴史の第一歩なのである。彼らは、革で己の脆弱な肉体を包み、道具を入れる袋として使用した。その、鞣しの発見により人々はさらに煙で燻す、植物の渋に浸けるなど、さまざまな方法を経験し、効果のあった方法を極めていった。
文明の発達とともに、タンナーと呼ばれる専業職人が生まれ、大量に皮革製品を供給できるシステムが構築された。また、化学薬品や機械の開発によって、短時間で大量に革を供給できるようになり、皮革産業は今ある一大産業へと発展したのだ。化学繊維の発達が目覚しくなった昨今、時代遅れの革は淘汰されるかに思われた。しかしその兆しは見えない。その理由はおそらく、革をもつことで原始の時代から寄り添ってきた、革への愛着心をDNAが感知するからではないだろうか。
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「イントレチャート」ってなに?
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天然素材だからこそ味わえるぬくもりや、獣の革を身につけることへの本能的な欲求から、過去と現在、洋の東西を問わず“定番”とよばれるレザーアイテム。
ところが、その姿は時代の空気とリンクし、常に進化している。技術の向上によって生まれた斬新な加工や、デザイナーが望みつつも今までタブーとされていた表現方法の実現、地球環境を考慮した試み……etc。そんな中で生まれたイントレチャートをはじめ、気になるレザーの最新トレンドを探る。
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カーフとステアは何が違う?
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食肉とともに世界中に流通し、消費される量も多く、動物革の代表格といえる牛革。我々にとって、もっとも身近な存在であるが、製品のケア表示に「牛革」と表記されていながら、風合いがまったく異なるのはなぜか……? ひと口に牛革といっても、「カーフスキン」や「ステアハイド」など、何種類もの呼び方があるのはなぜ……?
原皮の年齢や性別をもとに、そんな疑問を解決し、もっともポピュラーでありながら、もっとも奥が深い牛革をマスターする。
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牛以外の革
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牛革は市場での圧倒的なシェアをもっているが、強度や防寒性などの用途、あるいはユーザーが求める性格づけによっては、その他の動物革の方が優れていることもある。他にも、妖しげな光沢を放つ風合いを好む個性派にピッタリなエキゾチックレザーや「他とは差をつけたい!」と思うレザーマニアが選ぶ希少動物革など、その種類はまさに動物の数だけあるといっても過言ではない。
中には「え、そんな動物まで?」という珍しいレザーも網羅。
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革の加工や染色
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経験とアイデアを駆使するタンナーによって、変革を遂げた革。そこに、さらに個性的な表情を加え、エイジングを楽しむための“化粧”。それが染色や加工と呼ばれる工程である。
日本古来の伝統的な染め技術を西洋から伝播したバッグや小物に取り入れ、新しいプロダクトへと昇華させたもの、進化した型押し技術によって現代の空気にマッチする軽さや、ラグジュアリー感を演出したものなど、今どきの染めや加工の技法を検証する。
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タンナーの役割
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世界中に分布するタンナー。動物から剥いだ生皮は彼らによって鞣され、そして革となる。しかし彼らの多くは、鞣しの基本工程を踏襲するだけにとどまらない。そこには、鞣しから色づけにいたるまで、それぞれのタンナーが試行錯誤の結果、編み出し、大事に伝えてきた、秘伝のレシピが存在するのだ。
そんな得意技をもち、各国を代表するタンナーたち。彼らの名門たるゆえんを知れば、レザーがもっと身近に感じられるはずだ。
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「リアル・デザイン 2006年12月号」掲載文=実川 実(シティライツ)、編集部
text:Minoru Minorukawa(City Writes)、Real Design
写真=片桐 圭、添田 実、桑山 章
photo:Kei Katagiri、Minoru Soeda、Akira Kuwayama
イラスト=A&W Design
illustration:A&W Design
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