フィンランドを代表する国際企業であり、モバイル・コミュニケーションの分野で世界をリードするノキア。通信業界に特化した先進的なイメージを持つ同社だが、創業は1865年で、当初はフィンランド南西部で製紙業を営んでいた。その後、長靴やタイヤを製造するゴム会社のフィニッシュ・ラバー・ワークス社と、ノキアの電信・電話事業の礎となるフィニッシュ・ケーブル・ワークス社を設立。現在のノキアはその3社の合併により誕生したもので、'
90年代はじめに非中核部門を切り離して通信事業に集中。ちょうど欧州でのデジタル携帯電話の標準規格がGSM方式に決定され、そのGSMが世界的な標準規格として普及したことで、ノキアは一躍、世界最大の携帯電話メーカーとなったのだ。
携帯電話の約3台に1台はノキア製品といわれるほど、ノキアが圧倒的な支持を受けている理由は、使いやすさと高い機能性、そして独創性の高いユニークなデザインだ。実際にノキアの携帯電話を使ってみると、ボタン配置やメニュー階層がよく練られているので、直感的な操作ができる。高度なテクノロジーを意識することなく、誰にでもシンプルに使いこなすことができるつくりが特長だ。
ノキアはフィンランドをはじめ、アメリカやアジアにもデザインセンターを構え、グローバルなデザイン活動を行っている。例えば同じ北欧のバング&オルフセンなどは製品ごとにデザイナー名を発表しているが、ノキアの場合はデザイナー名が発表されることは希だ。これはプロダクトデザインを個人の作品としてではなく、グローバルスタンダードなものとして捉えている証拠といえるだろう。
ノキアの魅力のひとつは、アクションの面白さ。ワンタッチ式のスライドカバー、閉じて通話・開いてPDAのようになる折りたたみボディ、フリップを開くとキーボード型になるボディなど、ユニークかつ使いやすさを兼ね備えたフォルムに唸らされる。さらにボディには、チタンやステンレスなどのメタル素材をはじめ、レザー、スウェード、ファブリックなどの素材を使用するなど、常に新しい価値感を提案するセンスと、それを製品化する情熱には驚かされる。
既存の携帯電話にはない革新的なデザインを採用し、利用者のライフスタイルに合わせた機種を豊富に用意するノキアは、携帯電話デザインの先駆者として常に我々を刺激する存在だ。