やっぱりスウェットを着るならばスウェットに使われる用語だってマスターしておきたいものである。エイ出版社のポータルサイト、サイドリバーのアメカジ担当である三浦先生に頻出スウェット用語を教えてもらいましょう。

■スウェットシャツ
元々は競技用のジャージと同じようなスポーツセーター。1930年代まで素材は主にウール100%だったが、1930年代後半からコスト削減と量産性向上のため綿100%のものが登場した。1940年代になると綿100%がほとんどとなり、第二次世界大戦後には広く普及した。
 
■V字ガゼット
首周りの前後に伸縮への補強として施されたV字ガゼット。他にも汗止めのために施されたという説もある。V字の切れ込みにリブ素材など別布をはめ込んで縫製される。1920年代から採用され1950年代前期まで続いていたが、織機の性能向上や縫製技術の向上により廃止。前Vのものは1940年代から登場。60年代になると消滅へと向かう。でもその魅力にとりつかれてV を施したスウェットは後を絶たない。
 
■セットインスリーブ
身頃に対して垂直に袖が縫製されたもの。スウェットシャツの原型であるウールセーターなどは全てセットインスリーブだった。袖の縫製方法としては最も基本的なもの。
 
■ラグランスリーブ
襟ぐりから脇下にかけて斜めに生地を裁断し、そこに袖が縫製されたもの。セットインスリーブと違い、アームホール部分にゆとりがある。1950年代後半からスウェットシャツに採用され始めた。余談だが、ラグランスリーブはクリミア戦争中(1853〜1856年)に英国のラグラン将軍が考案したと言われている。負傷者が楽に着脱でき、袖付け根の縫製部分から雨が染み込みにくいという利点があったとされている。
 
■フリーダムスリーブ
腕の動きをスムーズにするために考案された縫製方法。ラグランスリーブは襟ぐりから脇下にかけて直線で切り替えされているが、フリーダムスリーブは切り替え線が襟ぐりから弧を描くように脇下に向かい、さらに反対方向に弧を描くように袖先に向けて切り替えされる。ちょうどS字のような切り替え線になり、脇下にはガゼットが施されている。縫製や裁断などに手間がかかるため、一般的ではなかった。1950年代からスウェットシャツに採用される。
 
■リブ
Knitted Cuffs(ニット製カフス)というのが本来の単語で、リブという言葉は和製英語。元々スポーツセーターであったため、体にフィットさせることと保温性を高めることを目的に採用された。Kniited Cuffsというとおり、ニット(編み)なので伸縮性がある。1950年代までのヴィンテージスウェットシャツでは、「針抜きリブ」を目にすることが多いが、これは編み込む速度を変化させ、針を抜くことにより編み込まれた凹凸のあるリブの呼称。針を抜いて編み込むことから、「針抜き」と呼ばれている。
 
■フラットシーマー
4本針ステッチとも呼ばれる。4本の針と糸(下糸を合わせると5本)によって縫製されたもの。生地裏面に縫い代が無いため、肌に縫製箇所が当たらず着心地が良い。1950年代に採用されるが、生産効率が悪いので全ての縫製箇所を4本針で行わず、袖リブや胴リブの縫製は2本針や3本針を採用しているものも多い。
 
■リバースウィーブ
1934年にChampion(チャンピオン)のセールスマンであったサム・フリードランドが考案した製法。スウェットシャツは通常縦編みの生地を使用するが、生地の網目の方向に縮むために縦方向への大きな縮みが発生する。それを解消するために横編みの生地を採用し、1938年でアメリカで製法特許を取得した。後に両脇にリブ編みを採用することによって横方向の縮み解消と、動きやすさを確保することに成功した。チャンピオンスウェットの代名詞となっているとおり、これは紛れも無くチャンピオンが開発した他に類を見ない製法である。
 
■染み込みプリント
ヴィンテージスウェットで多く見かけるプリント手法。シルクスクリーンでプリントすることができる。染料が生地に染み込んでいるため凹凸が無く、発色が良いのも特徴。着用していくうちに色抜けし、良い雰囲気になる。
 
■フロッキープリント
これもヴィンテージスウェットに多く見られるプリント手法の1つ。起毛した転写シートにプリント・糊加工をし、生地に熱圧着するため、シルクスクリーンでは対応不可。ビロードのような風合いが得られるが、単色プリントしかできないという弱点もある。ヴィンテージスウェットではカレッジ物などで多く見られる。
 
■ラバープリント
ヴィンテージスウェットの中でもChampionのリバースウィーブに多く見られる。鮮やかな発色は無いが、艶と厚みがあるのが特徴。高級感があり伸縮性に優れている。