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ロングタームレポート_TESTACH

達人は数字だけ見れば乗り味がわかるらしい……

「フレームサイズ」って考え出すとドツボにハマるくらい奥の深い話。フレームサイズはシートチューブ長を指すことが多いけど、ほかにも多くのサイズがフレームには存在する。そして、それらの数値は互いに関係しあっている。その数値を読み解くと、詳しい人なら自転車に乗らなくても、その乗り味がだいだいとわかるらしい。

ロングタームレポート_TESTACH

[1]スローピングフレームは地面と水平な線を仮定して算出。フレームの大きさを判断する数値。
[2]トップチューブの長さだが、スローピングの角度によって数値はバラバラになり比較しにくい。
[3]フレームサイズはこの数値で表記されることが多い。でもスローピング具合により数値が変化するので、これも比較しにくい。
[4]フレームのフォークが差し込まれる部分の長さ。長さはフレームサイズに比例している。
[5]前後アクスル軸間の距離でフレームの横の長さを示す。長いと安定し短いとクイックな乗り味。
[6]ヘッドチューブと水平線との角度。ハンドリングに影響し、角度が大きいと軽快に、小さいと直進安定性に優れる。
[7]シートチューブの水平に対する角度。この角度でサドルに座ったときの重心の位置が変わる。
[8]BB軸から前のホイール中心までの距離。ホイールベースと同様に、短いとクイック、長いと安定した乗り心地になる
[9]BB軸からリアのホイールの中心までの長さ。長さにより乗り味だけでなく変速性能にも影響。
[10]ヘッドチューブの延長線からホイール中央までの距離で、HAとフォークの曲がり具合が関係。
[11]ホイール間を結んだ線からどのくらい下にBBがあるかという数値。小さいとハンドリングが軽快に、大きいと安定する。

※水平値で測る場合もある。その場合、ホイールベース=RC+FC


で、私が「?」と思ったのは、700Cという小さなフレームサイズの各数値のバランス。フレームは小さい人でも乗れるようにコンパクトに作られているけど、ホイールサイズは大きなフレームと同じ。当然そのバランスは崩れ、なんだか変な数値が多くならび出す。乗り味に目を向けると、どうもそれは納得がいかないのだ。

フレームサイズが違うと全部違う

「小さい人向けにする=トップチューブを詰める」というのがお約束。でも、ホイールベースを詰めすぎると、安定感にかけ、さらにはホイールに足先が当たってしまう。なのでホイールベースはキープしながら、シートチューブを起こし、ヘッドチューブを寝かせる傾向にある。本来のバランスが崩れるから、それにともない乗り味も……。だから「フレームサイズを小さくするならホイールサイズも小さく!」というわけ。

フレームサイズで気になったポイントは?

上図のように、自転車のフレームには多くの数値がある。これはフレームビルダーの頭の中にある計算式や、最先端のブランドならCADが導いてくれる。サイズだけでなく、乗り味も左右する数値なので、同じサイズ(トップチューブ長)でも、たとえばツーリング車とプロ選手が乗る決戦用バイクでは、細かい数字は全く違ってくるのだ。大きさだけでなく、どんな用途で乗りたいかがフレームの各数値を決めるポイントだ。 いま作っている26インチのロードバイクは、レース志向ではない。「長い間快適に、でもスピードは出したいよね」というのがコンセプト。そんな自転車を作るにあたって、ここでは下の2つの数値を見ていこう。

ステム長とリアセンター
●ステム長(トップチューブ長に関連してくる)
ハンドリングに大きく影響してくる

私が乗っている700Cのロードは、ステム長が60mm。一般的にステムは80mm〜120mmくらいが好まれ、そのなかで体型に合うものを選ぶ。大きなフレームに乗るなら必然的にステムは短くなる。そして、同じ力でハンドルを引いた場合、短いほうがクイックに反応するためクセのあるハンドリングになる。そこで26インチにすることで、トップチューブが20mm短くなり、今度は80mmのステムがつけられるようになるのだ!

●リアセンター(チェーンステー長)
変速性能はどこまで大丈夫?

リアディレイラーとチェーンリングの間には角度がついているので、その距離を詰めるとチェーンがねじれたり、チェーンラインが乱れたりと、変速がうまくいかなくなる。シマノはその境界を405mmとしているが、ホイールを小さくした場合、その数値を守るとシートに対してホイールが後ろについてしまう。すると、安定感には優れるがクイックな踏み味は望めない。なので思い切って、その数値をちょっと無視。15mmほどチェーンステーを詰め390mmに!

自転車はこうやって作られる 〜其の弐、パイプカット編〜職人技がキラリと光るパイプの裁断
工房見学へしゅっぱーつ! 今回の過程はパイプカット。日本で特別に作られるという、小さなサイズ専用のバテッドチューブ(バテッドされる位置がほかのチューブとは違う)を、設計図に合わせて慎重にカットしていく。長さを揃えるのはもちろん、ヘッドチューブやシートチューブの角度に合わせてトップチューブをカットするなど、かなりの職人技。「不器用なんで……」と言いながらも、東洋フレーム・佐藤さんは着々と作業を進めていったのだ。

カットしては設計図に当てて精度を確認。それはミリ単位ではなく、もっとミクロな世界。何台もの裁断する機械を使いこなすのは大変そう! 自転車はこうやって作られる 〜其の弐、パイプカット編〜職人技がキラリと光るパイプの裁断

自転車はこうやって作られる 〜其の弐、パイプカット編〜職人技がキラリと光るパイプの裁断 パイプの中をのぞいてバテッドされている場所を確認。内側を見て、ささっと外側にマーキング。簡単そうだけど、できません!


・TESTACH のお問い合わせ 東京サンエス
・取材協力 東洋フレーム

(バイシクルクラブ 2008年5月号 掲載)


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