BC女子部

第15回 レディースロードバイクインプレ2007

BC女子部

photo偉大なる女子部のご師匠
TREK 片山 梨絵 選手 (かたやま りえ)
MTBインプレに引き続きお世話になるのは、チームトレック所属の片山梨絵選手。XCでは国内に敵ナシのトップ選手として有名だけれど、昨年は富士山ヒルクライムロードレース大会で優勝するなど、ロードレースでも活躍! 愛車はカラーオーダーしたトレックのMadone SL 5.9 WSD


小さいサイズのロードを女性陣が乗り比べ!

ロードバイク人口の高い女子部が、満を持して(?)07モデルをインプレッション! 密かに、「自分のロードバイクとどう違うのか、乗り比べてみたいなぁ」なんて思いつつも、そんな理由で機会を設けられるわけもなく、新モデルの登場でやっとそのチャンスが巡ってきたのだ。

今回乗ったのは、フレーム素材もホイールサイズも異なる5台。女性モデルとうたっているものや、ホイールに通常よりひと回り小さい650Cを採用しているものなど、小さいサイズならではの特徴のあるロードに乗ってみることにした。価格帯は7万円台から35万円ほどと幅広く用意。

女子部がもっとも気になっているのは、フレーム素材がアルミやカーボン、クロモリと異なることで、乗り味がどう変わるのかということ。よく耳にする「硬い」だの「しなやか」だのといった一般的な評価は、果たして実感できるのか?今回借りた5台のうち2台はフルカーボンで、アルミが2台、クロモリが1台。チタンは残念ながら今回用意できなかったが、それ以外はひととおり揃ったことになる。

そのほかにも、女子部の疑問は尽きない。「ホイール径の大きさはどう影響するの?」、「パーツはどんなものが装備されている?」、「トップチューブとダウンチューブの長さのバランスって、どう影響するの?」などなど、じっくり見てみるだけでも、パッと見は似ているロードバイクの個性が浮き上がってきて興味深い。

ただ、ロードバイクはMTBのようにジャンルが明確に分かれていないから、乗り比べて感想を書くのは少々難しい。だから、やっぱり今回も違いがわかるオンナ、片山梨絵選手にご登場願うことに。片山師匠、非力な女子部にご指導ください!




梨絵師匠! 女の子のロード選びってどこをどう見たらいいの?
日本の女性の平均身長は約156p。女子部も大半が150p台なのに、この身長に合うサイズってなかなか探せない。だけど、楽しく乗りたい、上達したいという人は、無理せずセッティングできて、用途に合ったバイクを選ぼう。

POINT 1 カラダにフィットするバイクを選ぼう
●フレームサイズの大まかな目安
フレームによって形状が異なるため、シートチューブの寸法だけではピッタリサイズはわからない。カタログでは下の表を目安に、トップチューブも合わせてチェックしてみよう。

 身長  フレームサイズ(シートチューブの長さ)
 150cm〜160cm  〜470mmくらい
 158cm〜165cm  470mm〜490mmくらい
 160cm〜170cm  490mm〜520mmくらい

●正確にショップで採寸してもらおう
おおよそバイクの見当をつけたら、あとはショップに相談するのが一番! ナゼって、サイズだけでなく、体力や用途によっても選ぶバイクやサイズが異なるからだ。そして、バイクが決まったら、股下寸法や腕の長さなど細かく測ってもらってサイズを決めるべし!

●細かいパーツで微調整
パーツで調整できるとはいえ、極端に短いステムでは交換するときに選択肢が狭まるし、シートチューブが少ししか出ないと、なんだかカッコ悪い。ステムやハンドル、サドルなどでセッティングがうまくできるかショップに相談してみよう。



POINT 2 完成車売りかフレーム売りか
「パーツを選ぶ悩みも手間も少なくてお買い得なので、私なら完成車を買います(笑)」と師匠。ただ、クランク長は要チェック。男女共用モデルでは長いクランクがついていることが多いのだ。ちなみに片山選手の愛用クランクは167.5o。

フレームセットで買う場合は、コンポーネントやサドル、ハンドル、ホイールなど、すべてのパーツを選ぶことになる。愛車を作る喜びはひとしおだ。パーツの知識に自信がないなら、ハンドルやステム、サドルにまで気を配っているものが多い女性モデルの完成車はおすすめ



POINT 3 650Cホイールってどうですか?
650Cを駆った経験がある片山選手は、「小柄な人でもポジションが出しやすい!でも、下りが怖くて平地での伸びがイマイチかな」という意見。他のユーザーからは「こぎ出しが軽くて、乗り味がクイック」との声も。取り回しが楽なようだ

右が650C、左が700C。650Cなら700Cの小さいフレームにありがちな、つま先に前輪が当たる心配もなく、フレームとのバランスも◎



POINT 4 フレームの素材は何がいい?
もちろんホイールやコンポなどのパーツによっても性能は変わるが、乗り心地の大半はフレーム素材に左右される。片山選手にそれぞれの乗り味の印象を聞いてみた。ただ、ひと口にアルミやカーボンといっても種類や品質が異なるので、参考までに。

●カーボン
「細かい振動を吸収してくれるので、長時間でも疲れない! 軽量で力をしっかり伝えてくれるので速く走れるが、高価です」

●アルミ
現在主流のアルミは「カーボンよりも手頃な価格で、軽くて速く走れる。でも硬いので、乗り慣れないと疲れやすいかな」

●クロモリ
「歩道の段差などでマイルドで、特有のしなりがいい! ぐいぐい前に押してくれる感じ。ただ、重いのでツーリング向き」

●チタン
「オトナの所有欲を満たすバイクというイメージ」と片山選手。振動吸収性が高く、丈夫で軽量だが高価。根強いファンが多い






ロングライドモデルのシナプスシリーズは、フォークとリアトライアングルが振動吸収のよい設計。女性モデルではフルカーボンとアルミのモデルがあり、フレームはもちろん、ハンドルやホイールなども女性のための設計。


コーナリングがスバラシイ!
こぎ出しの軽さ ★★★★☆
コーナリング  ★★★★★
直進安定性 ★★★★★
平地巡航性  ★★★☆☆


思ったより衝撃が少ない!
アルミは硬いイメージだけど、意外に身体に負担がないかも。衝撃吸収性のよいスチールのスポークや、パンクしにくいタイヤを装備した気配りがにくいネ!


コストパフォーマンスにすぐれたモデルを数多くリリースしているジャイアント。OCRシリーズはファンライド志向で比較的アップライドなポジションのモデル。今回唯一650Cのホイールを履き、価格はもっとも手頃だ。


この値段は信じられない!
こぎ出しの軽さ ★★★★☆
コーナリング  ★★★☆☆
直進安定性 ★★★☆☆
平地巡航性  ★★★★☆


補助ブレーキが嬉しいね
「身体に馴染むね〜」とタナチュウ。こぐのが軽くって、身体にしっくりくる感じ。ドロップハンドルに慣れない人には補助ブレーキもあってオススメしたい!


カーボンフレームのパイオニア、ルック。「女性」を意味する“elle”カラーで、コンパクトジオメトリーを採用したフレームは、フォークとカーボン素材を使い分け、剛性と路面追従性を実現した一台だ。


ヒルクライムに使ってみたい!
こぎ出しの軽さ ★★★★★
コーナリング  ★★★★★
直進安定性 ★★★★☆
平地巡航性  ★★★★★


ペダルまでお揃い可とは芸が細かく◎
タナチュウは「グングン進んで、高級感のある走り!」とイッチョ前のコメント。明らかに上質で、他とは一線を画すフレームのように感じたのは値段を見たせい?


国産オーダーフレームとして名を馳せたテスタッチが、小さいサイズの完成車をリリース。快適に長時間走ることを目的にしたクロモリバイクだ。コンパクトクランクやブレーキレバーなど、パーツにもこだわりが見られる。


バイクがスッと進む!
こぎ出しの軽さ ★★★★★
コーナリング  ★★★☆☆
直進安定性 ★★★☆☆
平地巡航性  ★★★★★


これならハンドルまで手が届く!
トップチューブが長くないので、「姿勢がラクチン!」と喜ぶもっちゃん。驚くほど振動を吸収してくれて、クロモリの快適さを実感できたのは大収穫!



トレックのマドンといえば、かのランス・アームストロングが駆ったバイク。軽くて剛性の高いOCLVカーボンを採用したフルカーボンバイクで、片山選手も使用。このモデルはフレームジオメトリーを女性用に設計している。


重量もこぎ出しもとにかく軽い!
こぎ出しの軽さ ★★★★★
コーナリング  ★★★★★
直進安定性 ★★★★★
平地巡航性  ★★★★☆


アームストロングになった気分♪
「おっ 足が軽く回る!?」とテンションが上がるワンワン。「軽くてフロントは3枚だし、上り嫌いの私でも走れる気がしちゃうバイクだね!」と自信を取り戻した(?)様子



(バイシクルクラブ 2007年2月号 P99〜P103 掲載)


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